
ボタンの花のように盛りつけられたイノシシ肉=11月28日、おおい町名田庄久坂の料理旅館「新佐」
イノシシのわな猟、銃猟が11月に解禁され、福井県おおい町名田庄地区の料理旅館などで冬の風物詩「ぼたん鍋」に使われるイノシシの入荷が始まっている。提供する旅館では「今年も脂の乗りが良い」と肉質に太鼓判を押す。
ぼたん鍋はイノシシ肉を野菜やキノコと、みそで一緒に煮込んだ鍋料理。薄切りの肉を皿にボタンの花のように盛り付けることからその名が付いたとされ、発祥は兵庫県丹波篠山市といわれる。
同地区では50年ほど前から提供するようになり現在、料亭やホテルなど5カ所で味わうことができる。
同町名田庄久坂の料理旅館「新佐」では、2日までに地元猟師が捕獲した体長1・5メートル前後、体重45~80キロほどの13頭が持ち込まれた。同旅館の栗原さんは「今年はドングリがよく育った。イノシシがたくさん食べ、脂の乗りが良い」と話す。
あっさりとした味わいでクセがないのが特徴。数ミリに薄く切った肉が円形になって大皿に並び、肉と脂の赤、白色のコントラストが鮮やかだ。同旅館では野菜や自家製みそと一緒に提供している。冬を乗り切るために脂を蓄えるこれからのシーズンがさらにおいしくなるという。同旅館では来年4月末まで提供する。
同地区のぼたん鍋の問い合わせは、若狭おおい観光案内所=電話0770(77)0025。
県内のイノシシ猟は、銃猟が来年2月15日、わな猟は3月末まで。
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