ブレジャーで楽しむ商店街&グルメ散策

敦賀駅前(西口)


 敦賀・若狭エリア魅力発信ライターの山田です。突然ですが、皆さんは「ブレジャー(Bleisure)」という言葉をご存じでしょうか。実は私も最近知ったばかり。ビジネス(business)レジャー(leisure)を掛けあわせた造語だそうで、会社の出張と休暇を合わせて旅行を楽しむことをいいます。
 せっかく非日常の地域に来たのだから、仕事以外何もしないでとんぼ帰りはあまりに寂しいですよね。少しでもよいから、観光したり、美味しいものを食べたりしたいはず。出張に合わせ休みさえ取ることができれば、交通費は出張旅費で賄える部分もあり、個人の経済的負担は減ります。企業側からみても、ブレジャーは従業員の年休取得率アップ、従業員の気分転換、地域との関係性の向上などの効果が期待でき、すでに欧米ではこのスタイルは定番となっているのだとか。観光庁も2024年にはワーケーションとともにブレジャーの普及・定着に向けた取組の推進を表明しています。

 そこで今回の記事では、北陸新幹線や特急の停車駅であり、嶺南エリアの玄関口ともいえる敦賀を舞台として、出張帰りでも楽しめそうなプチ旅を計画。行程は敦賀駅から徒歩移動できる範囲とし、気ままな街散策を楽しみました。
 

敦賀駅前 銀河鉄道999のモニュメント


 出張の内容にもよりますが、仕事終わりは早くても15:00や16:00でしょうか。ちょうどホテルのチェックイン開始時刻にあたりますので、まずは荷物を置きたいですね。敦賀駅周辺にはビジネスホテル等が数軒と、街中にもホテルや旅館、そして海岸沿いには民宿もあります。

今回は徒歩での街歩きがテーマですので、商店街の中に位置する「天然温泉 若狭の湯 ドーミーイン敦賀」を宿泊先に選んでみました。まずはホテルを目指しましょう。

港町の海鮮は魅力的
 

 敦賀駅西口改札を出たら、駅前通り・県道13号線を西に向かいます。敦賀駅から氣比神宮までの道路沿いには駅前商店街、本町2丁目商店街、本町1丁目商店街が続き、通称シンボルロードと呼ばれています。通りには、1999年の敦賀開港100周年を記念した「銀河鉄道999」 と 「宇宙戦艦ヤマト」のモニュメント計28体が点々と設置されており、松本零士作品で育った世代には嬉しいかぎり。懐かしさとあの頃の興奮がきっとよみがえるはず。

敦賀開港100周年記念のモニュメントに興奮


 駅前商店街は海鮮中心の食事処や居酒屋もあり、夕食や翌日の昼食候補を探しながら移動するのも楽しいです。
 徒歩5~6分程度で白銀町の交差点に到着すると、目前に商業施設アル・プラザが見えます。ファッションや生活用品、スーパー等があり、食事も可能です。1階には広々とした土産物コーナーもありますので、観光客でも一見の価値がありそうです。

商業施設アル・プラザは駅から徒歩7分程度

  
 アル・プラザ目前の交差点を商店街に沿って北に向かうと、途中にドーミーイン敦賀の玄関に到達しました。駅からストレートにくれば、徒歩8分程度の距離と案内されていますね。
 チェックインを済ませ、しばし休憩して夕食に出かけました。今回はあらかじめ下調べし、気になったお店を予約済みです。ホテルから氣比神宮方面に進み、5分程度でイタリア料理 時代屋(トラットリア アンティカカーサ)に到着しました。こちらのお店は、本格イタリアンをコースで提供。前日までに予約が必要となっています。

時代屋店内はイタリア文化が凝縮


 扉を開ければ、そこは別世界。イタリア文化が凝縮したような空間が広がっていました。デザインの優れたお皿や置物、ワインボトルなどがところ狭しと飾られています。BGMはカンツォーネ。シェフの威勢のよい歓迎に、期待はますます膨れ上がりました。
 5,800円と8,500円(共に税別)コースがありますが(2026年3月時点)、今回は奮発して8,500円のコースをいただきます。取材日のメニューは、前菜3皿、パスタ、魚、肉料理の計6皿にドルチェ盛り合わせとコーヒーという構成。印象深いのは、イタリアから輸入しているという野菜の存在感。プンタレッラ、フィノッキオ、タルディーボなど、あまり馴染みのない野菜が登場しますが、その味や食感に驚かされました。

シェフのこだわり イタリアから野菜を輸入


 イタリアンといえばニンニクやオリーブオイルが定番と思っていた認識も、ここで見事に覆りました。どの料理も素材本来の味が前提となっていて、そこに食材の組合せやソースの加減などシェフの技術とセンスが加えられています。
 料理にあわせてグラスワインを数種頼みましたが、これがどれも美味しい。それもそのはず、シェフはイタリアでの修業経験が数年あり、イタリア料理人の資格(F.I.C)とイタリアソムリエの資格(A.I.S)を両方取得しているとのことでした。少なくとも1年に1回はイタリアに出かけて、刺激を受けて帰ってくるのだとか。奥様も料理に使われている野菜を見せてくれたり、ワインの説明をしてくれたり。非常にホスピタリティ溢れる接客で、楽しい食事を演出してくれます。ちなみにドルチェの味も素晴らしく、スイーツのみでもお店が成り立ちそうなほど。

 料理・ワイン・雰囲気とすべてにおいて刺激を受け、忘れられない旅のワンシーンが追加されました。
(※コースの予約は2名から。お支払方法は現金のみ)

 
 
時代屋・コース料理の一例(ワインは別注文)


 ホテルに戻ると、なんと21:30から夜鳴きそばのサービスがあるとのこと。すでに満腹状態でしたが、今宵は非日常であると自分に言い聞かせ、取材も兼ねてホテルの食堂へGO!

思ったとおり、夜鳴きそばは非常に盛況で、行列ができていました。数量限定ですが、今回は無事ゲット。あっさり味の醤油ラーメン・ハーフサイズということもあり、〆にピッタリでした。食べられなかった人にはオリジナルカップ麺を提供してくれるようです。

 さらに嬉しいサービスは、休憩スペースにある漫画。ホテル情報によると約1,000冊あるのだとか。時間がいくらあっても足りません。

 

 ドーミーインといえば、大浴場が有名ですね。部屋のテレビモニターで混雑状況が確認できるので、翌朝人が少ない時間に入り、広々と使うことができました。

 男女別天然温泉大浴場「若狭の湯」は、福井県南条郡からの運び湯。大浴場は、内湯と外湯(市街地のため眺望は期待できないが外気が入るつくり)、それにシルキー風呂の3つで構成されています。北前船が描かれた壁画が、若狭旅情を盛り上げてくれますね。
 サウナも設置されていて、20分ごとにオートロウリュが作動。水風呂はなんと最大水深が150㎝というトンデモ設計‼加えて、「インコの一撃」という頭上からの冷水落下装置があり、サウナ―注目の設備となっています。私はサウナ初心者なので、一撃を喰らう勇気はありませんでした…。もっと経験積んで、再トライしたいと思います。
 全国にチェーン展開するドーミーインですが、朝食にはご当地メニューが採用され、地域ごとに異なる特色を出しています。敦賀のご当地メニューは「ソースカツ丼」と「マッカレッロピッツァ」(マッカレッロ=鯖)でした。ビュッフェ形式なので、思い思いのスタイルでいただきましょう。

  ドーミーイン敦賀・朝食ビュッフェの一例 ご当地メニューはソースカツ丼と鯖のピザ


 ホテルを出て、氣比神宮を参拝しました。地元では「けいさん」と呼ばれ親しまれる氣比神宮は、7柱のご祭神をまつる北陸道の総鎮守。大宝2(702)年の建立と伝えられています。
 大鳥居は重要文化財となっていて、奈良県の春日大社・広島県の厳島神社と並ぶ日本三大木造大鳥居の一つです。
 かつて松尾芭蕉が訪れており、境内には松尾芭蕉の像と句碑がありました。朝の光景も清々しいのですが、夕暮れの雰囲気も良さそうです。昨日訪れておけばよかったと少々後悔しました。

氣比神宮の大鳥居


神楽1丁目商店街の様子。歩道が広くなりました

 氣比神宮の表参道となる神楽通りは、2026年3月に歩道拡幅工事が終了したばかり。より歩きやすい環境となりました。このあたりは、道路の両脇に店が並ぶ神楽町1丁目商店街となります。
 私にとって、旅先の商店街は観光の楽しみのひとつ。地域の色がダイレクトに伝わってきます。老舗や飲食店等、気になるお店をチェックして、アレコレ迷うのが醍醐味です。
 今回は華やかな店構えに惹かれて、小堀日之出堂にお邪魔しました。こちらは明治34年に創業。和菓子・洋菓子の両方を扱っています。和菓子部門にはイートイン・スペースがあり、団子と餅と緑茶のセット(日之出堂セット)をいただきました。団子は、注文が入ると、その場で焼いてくれます。美味しそうだったので、さらに単品でこしあん団子を1本プラス。甘味とお茶でほっこりタイムを満喫しました。隣接の本店では、お土産用の洋菓子を購入。品数が豊富なので、事前に商品情報を仕入れたほうがよいかもしれません。
 神楽1丁目商店街から博物館通りや敦賀の海岸線に出ることも可能ですが、そこから徒歩で駅まで戻る場合は35~40分程度の距離となります。もっと敦賀を満喫するのであれば、バス活用も視野に計画を練ってみてください。

小堀日之出堂「日之出堂セット」に団子1本追加オーダー
 
小堀日之出堂・洋菓子の一例  自分のお土産もしっかり購入


 いよいよ旅の“しめくくりランチ”へ向かいます。駅に戻る途中、本町1丁目にある関取すし本店に入りました。敦賀といえば、港町。やはり新鮮魚介のイメージが強いです。昼間から贅沢ですが、非日常も本日まで。この記憶が人生の活力になるならば、どんどん自分に投資しましょう。
 店内はカウンターと座敷があり、相撲の浮世絵や軍配などが飾られています。聞けば、店主の祖父が相撲取りだったとのこと。まず上ランチを注文しました。当日の仕入れ状況によって変わる可能性がありますが、この日は大トロやウニ、バイ貝、ヒラメなど高級ネタを含む8貫を堪能。ネタの鮮度は期待どおりですね。
 手書きのホワイトボードを出してくれて、お好みメニューはそこから選択することができます。1貫からの注文も可能とのことで、いろいろ試したい人に嬉しい配慮ですね。場所柄、常連客が多そうですが、観光客にとってもけっして敷居は高くありません。お好みは時価のようで価格が書かれていないのですが、自分の予想よりはるかにリーズナブルに思えました。これならもっと食べてもよかったと思うほど。季節に応じたネタも豊富なので、次回再訪が楽しみです。

 
関取寿司本店 上)上にぎり 下)お好みでイワシ・サバ・イカを追加注文しました


 わずかな時間や距離でも、旅は旅。敦賀の魅力をしっかり堪能しました。そして、早くも次回への期待が高まりつつあります。今回ご紹介したお店への再訪はもちろん、新たな刺激の開拓にも意欲が湧いています。敦賀のラーメン文化も気になりますし、港町の居酒屋で海鮮を肴に一杯なんて素敵ですね。会社員なら、きっと次なる出張が待ち遠しくなること間違いなし。

敦賀で「ブレジャー」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

天然温泉 若狭の湯 ドーミーイン敦賀
福井県 敦賀市本町2-8-17
TEL:0770-37-5489
URL:https://dormy-hotels.com/dormyinn/hotels/tsuruga

 



イタリア料理 時代屋(トラットリア・アンティカカーサ)
営業時間 18:00~22:00
定休日 月曜日
※コース料理(要予約。予約は2名から)
※お支払いは現金のみ対応
福井県敦賀市本町1丁目7-35
TEL:0770-25-4868
インスタグラム:https://www.instagram.com/laanticacasa

 

小堀日之出堂
営業時間  本店9:00~19:00(イベント等で変更あり)
     和菓子店10:00~16:00(イベント等で変更あり)
定休日 火曜日
福井県敦賀市神楽町1丁目2-34中央ビル1F
TEL:0770-21-0141
URL:https://koborihinodedou.com/
インスタグラム:https://www.instagram.com/koborihinodedo

 

 

関取寿司本店
営業時間 11:30~14:00、17:00~21:00
定休日 水曜日
福井県敦賀市本町1丁目11−18
TEL:0770-22-1658
インスタグラム:https://www.instagram.com/sekitorisushi_honten  

※記事でご紹介した内容は、取材日当日のものです。
店舗や商品の最新情報は、公式ホームページ等でご確認ください。

【取材日:2026年3月15・16日】


福井県地域おこし協力隊
敦賀・若狭エリア魅力発信ライター 山田慎一
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