
敦賀・若狭エリア魅力発信ライターの山田です。今回の記事は、敦賀・若狭エリアの観光を考える上で、非常に特徴的な素材をご紹介します。
敦賀・若狭エリアは敦賀市・美浜町・若狭町・小浜市・おおい町・高浜町で構成されますが、すべての市町に民宿があります。その繁忙期は、夏。海水浴客がメインとなり、利用客は主に関西・中京圏から来られています。ほかにも観光、釣り、ビジネス、インバウンドなどのニーズがあり、秋冬にはフグやカニ、ブリといった海鮮グルメが楽しめる宿となっています。
私は観光ライターの仕事を始める前から、民宿に興味を持っていました。というのも、私は幼い頃から大の魚好き。とくに寿司や刺身が好物で、海辺の宿で新鮮な魚料理をたらふく食べたいというささやかな夢を持っていました。東京から移住を決めたのも、若狭の新鮮な海の幸がひとつの要因です。海近くの民宿ならば、この夢を叶えてくれると思っていました。
ただ、民宿の情報はインターネットで検索しても、なかなか集まりません。エリア内の民宿を理解するには、地道な取材を繰り返す必要がありそうです。敦賀・若狭観光ライターが取り組むべき重要課題として位置づけ、今後も継続して魅力を探りたいと思います。
今回、取材対象に選んだお宿は、「海辺のワーケーションリゾート昭和館mukuri」。若狭町の北部、遊子海水浴場の近くに位置します。創業は1965年と長い歴史がありますが、2022年7月にワーケーション対応の宿としてリニューアルしました。
部屋は全部で5つ。premium和洋室(2~5名利用)が1室あり、部屋設備にソファー・マッサージチェア、ワーケーションデスクがあります。その他和洋室(2~5名利用)が4室あり、こちらの設備はワーケーションデスクとなっています。各部屋は“湖上の間”“紺碧の間”“潮騒の間”“流星の間”“虹色の間”と名付けられ、地域の自然美を表しているとのこと。ちなみに宿名のmukuriとは、自然体やありのままにという意味が込められた造語。宿の素敵なコンセプトが表われています。
部屋の共通設備として、冷蔵庫、50インチ4K液晶テレビ、畳スペース、ウォシュレット付きトイレ、冷暖房、金庫、アメニティセットがあり、各部屋シモンズ社製セミダブルベッドが2台設置されています。3名以上での利用はベッド2台+布団の利用となるようです。もちろん館内はフリーWi-Fi完備。
潮騒の間。和モダンで落ち着きのある内装
1階にあるリラックスラウンジは、宿泊者以外でも利用可能な心地よい共有空間。BGMが流れ、仕事を終えたあとに備え付けの漫画やゲームで疲れた脳を休めることもできます。
2階には予約して利用できるコワーキング・スペースがあり、グループでのミーティング等に対応することができますね。卓球台まで用意されているので、正直民宿の域を超えているような気がします。
私は15:30にチェックインを済ませ、部屋でしばしリラックス。早めのお風呂という手もありますが、せっかくなので宿の周囲を散策することにしましょう。
1階ラウンジ BGMが流れ、くつろぎの空間となっている
2階コワーキング・スペース ミーティングも可能
宿の周囲は数軒の民家があるのみで、それ以外は緑鮮やかな山風景に囲まれていました。宿から海は見えないものの、手前の道路を渡って細道を歩けばまもなく海岸に出ます。この歩道に風情があり、海に到着するまでの期待感を高めてくれます。
海岸は、遊子海水浴場。水の透明度が高いですね。少し沖合に停泊している漁船が、波に揺られて風情を醸し出しています。周囲にはわずかながらに他の民宿や民家があるのみで、お店は一軒も見当たりませんでした。
海風に吹かれ、水平線を眺めると、都市部では得られない感覚に包まれました。最近意識するようになりましたが、これもまたウェルビーイングではないでしょうか。あいにく取材時の天気は曇り。晴天時なら、もっと素晴らしい景色だと想像できます。その風景を眺めながら、自分の将来についてあれこれ考えてみたり、目先の課題を整理してみたりすると、爽快な気分になりました。
あいにくの曇天だったが、海の透明度は高い
さて宿に戻ると、お風呂を体験です。なんとこちらは天然温泉みかたの湯。泉質はナトリウム塩化物強塩温泉(弱アルカリ高張温泉)とのことで、疲労回復、神経痛、関節痛、慢性消化器病、冷え性、慢性皮膚病、五十肩、運動麻痺、虚弱児童、慢性婦人病の効能があるとのこと。
男湯も女湯も洗い場は3つ。浴槽は同時に5人ほどが入ることができる広さです。清潔感あり、しっかりくつろげました。
清潔さを感じさせる浴室
いよいよ待望の夕食タイム。食事は部屋ではなく個室の食事処になります。個室は「久々子」「水月」「日向」「三方」「菅」と名付けられていて、三方五湖の名前を皆さまに知ってもらいたいという想いが込められています。
食事処に入ってみれば、目に飛び込んできたのは立派な船盛。ヒラメの姿造りがデーンと横たわり、白身の刺身がバランスよく配置されています。本日の内容は、ヒラメ・タイ・イサキ・イカの4種です。
その横には美麗な甘エビが放射状に並べられた皿が控えています。私の選択したプランは、甘エビを堪能できるコース。見た目から鮮度の良さが感じられます。まずは心を落ち着かせて、ビールで乾杯といきましょう。
季節の地魚舟盛
甘エビを箸でつまみ、そっと醤油につけて、舌の上にパイルダー・オン。ねっとり濃厚な甘みが口中に広がります。頭と尻尾がついていますので、うまく身だけ取れるようチュルッと吸い込みます。しかしエビの頭を覗いてみれば、なんとミソが残留。エビミソ残しの大罪を、閻魔様はきっと見逃さないでしょう。再度エビの頭に唇を当て、2度目のチュウ。エビの殻が変形しても吸い続け、ミソを味わいました。
甘エビの名にふさわしい濃厚な甘みが味わえる
ビールも良いが、これは日本酒が合うのではないか。そういう疑問がフツフツとわき、“本日のおすすめ”のお酒を注文。銘柄は福井県加藤吉平商店の「梵・純米大吟醸しぼりたて生酒」。この素晴らしきマッチングは、旅の一夜だから出会えたもの。はぁー、極楽極楽。
もちろん地魚舟盛も、この先けっして忘れないであろう品質です。新鮮な歯応えと身の甘みに驚かされ、またそのボリュームに満足しました。
白ワインが欲しくなるカレイのハジルソースがけ
意外にも、つぎは洋風プレートが登場です。カレイのバジルソースかけは、その身が極厚で白ワインと合わせたくなる逸品。次の料理はエビや野菜の天ぷらや有頭エビの塩焼き、豚肉の朴葉味噌焼きと続き、嬉しい悲鳴をあげてしまいます。この時点で、かなりお腹が満たされたのですが、続いてかわいらしい茶碗蒸しが登場。その誘惑に抗えず、スプーンですくえばフルフルと健気なアクションを見せてくれます。口に入れれば、なんという優しさ。エビや玉ねぎといった具の役割も、美味しさの秘訣ですね。
ごはんは地元若狭町産のコシヒカリということで、いつも以上におかわりしてしまうのでした。
奥)有頭エビの塩焼き 手前)エビと野菜の天ぷら
豚肉の朴葉味噌焼き
食事を終え、部屋に戻ると畳の上で大の字に。苦しいお腹を抱えながらも、どっぷり幸福感に浸れました。天気が良ければ、夜は星がきれいに見えるそうです。それはまた、次回の楽しみにとっておきましょう。
翌日の朝食も、食事処でいただきます。
カレイの一夜干しは、まだ身が透き通っています。これを炙って、ご飯と共に。
ビジュアルは何気ないものに見えますが、サラダは野菜がシャキシャキして鮮度の違いを見せつけます。若狭町の特産品である梅干しは、これひとつでご飯のおかわり必至。新鮮なイカのお刺身を、朝にたべるという贅沢感と背徳感も素晴らしい。
うーん、お味噌汁まで美味で、かつて御食国であった若狭の恵みは、現代にも通じていると実感できました。
コメの旨みを堪能できる朝食
ワーケーションとは、「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語です。オフィスを離れ、旅行先などで余暇を楽しみながら働くスタイルです。会社人生に、このような体験があればモチベーションもますますアップしそうですね。ワーケーション制度が充実し、広まることを期待します。
チェックアウト後、レインボーラインをドライブして山頂公園を目指しました。宿から山頂公園まで渋滞がなければ車で15分ほどの距離です。
レインボーライン山頂公園からの景色は、嶺南エリア最大級の見応え。昨年の秋に訪れましたが、ぜひ春の様子も知りたいと思っていました。
実は前日に取材する予定でしたが、駐車場に着いた時点で完全に雲に覆われてしまっており、周囲の人も残念がっていました。遠方から来られる方は、本当に気の毒です。特に若狭エリアは天気の変化が目まぐるしいので、ご注意を。
周辺には昭和館mukuriをはじめ特色ある宿が揃っていますので、宿泊をともなった旅プランがおすすめです。
レインボーライン山頂公園から三方五湖を望む
※記事でご紹介した内容
宿の公式ホームページ
【甘エビ】ぷりっぷり食感と甘みが口に広がる美味しさ!やみつきになる甘エビコース
和洋室プラン
※舟盛等の料理内容は、時期や仕入れによって変化します
※画像は取材日2026年5月14日の内容です
最新情報は、宿の公式ホームページやインスタグラム等でご確認ください。
〒919-1454
住所:福井県三方上中郡若狭町遊子2−3
TEL:0770-47-1722
FAX: 0770-47-1732
チェックイン 15:00~18:00
チェックアウト 10:00
【取材日:2026年5月14-15日】
福井県地域おこし協力隊
敦賀・若狭エリア魅力発信ライター 山田慎一
インスタグラムでもエリアの魅力をお届けしています
https://www.instagram.com/tsurugawakasa_writer
地域おこし協力隊としての生活の様子や取材こぼれ話はnoteで発信
https://note.com/reinan_writer53




































