• 長年、敦賀の屋台ラーメンを盛り上げてきた権八さん。15日で引退する=7月25日夜、敦賀市本町2丁目
  • 大勢のお客さんでにぎわう「池田屋ごんちゃん」=7月25日夜、敦賀市本町2丁目
  • ラーメンを丼に盛り付ける権八さん=7月25日夜、敦賀市本町2丁目
長年、敦賀の屋台ラーメンを盛り上げてきた権八さん。15日で引退する=7月25日夜、敦賀市本町2丁目

 福井県敦賀市の屋台ラーメン文化の一翼を担ってきた人気店で、創業33年の老舗「池田屋ごんちゃん」の店主、権八(ごんぱ)敏一さんが8月15日の営業を最後に引退する。店の前には引退を惜しむ県内外のファンが長い行列をつくっている。ごんちゃんの味は店の従業員へ引き継がれる。

 豚骨鶏がらしょうゆ味のスープに、食感を楽しめる緩やかな縮れ麺が特徴。権八さんは、病気がちだった屋台ラーメン「池田屋」の店主と近所だった縁で、店を始めることを持ちかけられた。創業は1993年で、研究を重ねて2年がかりで今の味へたどり着いたという。やがて常連が付き「自信が持てた」。

 トラックを使った屋台で営業してきた。「店を構えたら」と勧められたこともあったが、店舗だとギョーザなどのメニューも必要となる。一杯のラーメンにこだわってきた。客との距離が近い屋台ならではの接客が楽しくやりがいだった。

 ただ店の準備や営業、片付けは体への負担が大きく、足の痛みなどに悩まされた。5月ごろに引退を決め、3年ほど前から店を手伝ってきた吉田さん夫婦に味を引き継ぐことになった。なじみ客が敦賀に帰省し最後の一杯を食べられるお盆のタイミングで歴史を閉じる。「たくさんのお客さんに支えてもらい、とてもありがたかった。自分なりに頑張ってきたので悔いはない」と言い切る。

 残りの営業日は8、14、15日。7月25日も多くの客が店を訪れ、ごんちゃんのラーメンを味わった。滋賀県長浜市から33年間通ったという客は「味はもちろん、権八さんの人柄がみんなに愛されていた」と惜しんだ。

 新たな屋号とキッチンカーで店を出す吉田さんは「敦賀の屋台ラーメン文化を残せるよう頑張りたい」と力を込め、権八さんも「この味を守っていって」とエールを送った。営業時間は午後5時半から売り切れまで。

 敦賀市によると、敦賀の屋台ラーメンの歴史は1953年に敦賀駅前付近に出店した屋台の営業にさかのぼる。最盛期の60~70年代は国道8号沿いに15台ほどの屋台が軒を連ねた。店主の高齢化などで徐々に数を減らし、現在はごんちゃんのほか「松月」の看板で出る二つの屋台と「おかや」「ラーメン陽」の計5軒が本町通りと敦賀駅前に店を出している。

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