• 蓮如上人(左)が手にする数珠をつかむ様子を描いた「絹本著色蓮如・善鎮対面像」の部分拡大(県教委提供)
  • 妙興寺の紙本著色小足掃部像(県教委提供)
  • 妙興寺の紙本著色大乗院妙春像(県教委提供)
  • 高岳寺の木造阿弥陀如来立像(県教委提供)
  • 明通寺文書の大永8年(1528年)3月21日付武田元光判物(県教委提供)
  • 明通寺文書の明通寺鐘鋳勧進帳(年月日未詳)=県教委提供
  • 小粕窯跡出土品の軒平瓦・軒丸瓦(県教委提供)
  • 杮経が約4千枚、巻物のように束ねられている「箍締め杮経」(県教委提供)
  • 全長約3メートルの宗像神社の弁財船雛形「弁天丸」(県立若狭歴史博物館提供)
  • ガラガラ山のヤブニッケイ群落=福井市居倉町(県教委提供)
  • 蓮如上人(左)が善鎮に珠数を渡す様子を描いた「絹本著色蓮如・善鎮対面像」(県教委提供)
蓮如上人(左)が手にする数珠をつかむ様子を描いた「絹本著色蓮如・善鎮対面像」の部分拡大(県教委提供)

 福井県教委は4月20日、蓮如上人と門弟を描いた絵画や、若狭地方に伝わる弁財船の奉納模型、福井市のガラガラ山のヤブニッケイ群落など8件を新たに県文化財に指定すると決めた。5月上旬に県報で告示する。内訳は絵画2件、彫刻1件、古文書1件、考古資料1件、歴史資料1件、有形民俗1件、天然記念物1件。今回の指定で県文化財は443件となる。

 【絹本著色蓮如(けんぽんちゃくしょくれんにょ)・善鎮対面(ぜんちんたいめん)像(数珠引(じゅずひ)きの御影(みえい))】室町時代(16世紀)の絵画。蓮如上人が手にする数珠を、門弟の善鎮が両手を差し伸べて右手でつかむ様子を描いている。門弟と向き合い、動きを伴っている連座像は珍しい。縦80・3センチ、横36センチ。越前市本町の陽願寺所有。

 【紙本著色小足掃部(しほんちゃくしょくこあしかもん)像、紙本著色大乗院妙春(だいじょういんみょうしゅん)像】江戸時代初期(17世紀)の絵画。小浜藩京極家の家臣だった小足掃部の像は縦69・1センチ、横31・7センチ。大乗院妙春像は縦73・3センチ、横42・6センチで、前髪を覆って後ろで結ぶ頭巾など当時の女性風俗を良く伝える。2人は夫婦とみられ、ともに残っているのは貴重。小浜市小浜鹿島の妙興寺所有。

 【木造阿弥陀如来立(あみだにょらいりゅう)像】平安時代後期(12世紀)の彫刻。本尊として観音・勢至菩薩(せいしぼさつ)立像(江戸時代)とともに、所有する坂井市丸岡町篠岡の高岳寺が本堂須弥(しゅみ)壇上に祭っている。温和な表情や衣文(えもん)の表現は制作時期の特徴を伝えている。阿弥陀如来立像の県指定文化財は4件目となる。像高97・2センチ。

 【明通寺文書(みょうつうじもんじょ)】小浜市門前の明通寺が所有する鎌倉時代後期(14世紀)から江戸時代後期(19世紀)までの古文書448点。室町後期と推定される同寺の鐘鋳造に関する新出の勧進帳類(かんじんちょうるい)では、寄付の範囲や額がうかがえる。若狭地域で屈指の質と量を誇る古文書群で、若狭にとどまらず福井県の政治、社会経済、宗教、文化などの歴史を明らかにする上で貴重。一部、県立若狭歴史博物館寄託。

 【小粕窯跡(こがすかまあと)出土品】越前町織田の小粕窯跡は、丹生山地で窯業を開始した最古の窯。指定する出土品は奈良時代(7世紀末~8世紀初め)の262点。特徴は瓦の文様で、滋賀県の琵琶湖東岸地域でみられる「湖東式」の軒丸(のきまる)瓦と軒平(のきひら)瓦がセットで出土。古代の地域間交流をみる上で重要。同町所有で、同町織田文化歴史館蔵。

 【箍締(たがじ)め柿経(こけらきょう)】柿経は薄く剥いだ細長い木の板「こけら」に経典「妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)」を墨書したもので、経典1巻分に当たる約4千枚が円筒状に束ねられている。室町時代の1498年に奉納され、束は直径21・5センチ。こけらは1枚が長さ26・3センチ、幅1・6センチ、厚さ0・03センチ。国内で発見された柿経が箍締めの状態で残っている例は少なく、今回調査で把握できたのは5例のみ。敦賀市公文名の福智院所有、同市立博物館寄託。

 【若狭地方の「船玉社(ふなだましゃ)」弁財船雛形(べざいせんひながた)】小浜市の四つの神社がそれぞれ所有する、江戸時代後期~明治時代の弁財船の奉納模型(雛形)5艘(そう)。小浜港周辺では神社への奉納品としてだけでなく、地域の氏神社の境内社として設けられた「船玉社」のご神体として海難よけや豊漁などの祈願対象だった。廻船(かいせん)に伴う民間信仰として貴重で、有形民俗文化財として指定。宗像(むなかた)神社(北塩屋)、金毘羅(こんぴら)神社(同)、廣嶺(ひろみね)神社(千種)が各1艘、八幡神社(小浜男山)が2艘所有。

 【ガラガラ山のヤブニッケイ群落】福井市居倉町のガラガラ山(標高421メートル)で、暖地性の常緑広葉樹「ヤブニッケイ」が特に密生する標高390メートル以上の1万9200平方メートルを指定。標高410メートル以上になると一面、積み重なった大きな岩石に覆われ、岩石の隙間にヤブニッケイが広く生育している。海に近く気温が高いため、標高が高い地域に存在する。居倉生産森林組合所有。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)