空弁「焼き鯖すし」で有名な若廣本社を訪問してみました
敦賀・若狭エリア魅力発信ライターの山田です。
小浜市に移住して、4ヶ月が過ぎました。まだまだ知らないことは多いですが、生活していて実感するのが地域における鯖文化の多様さ。土産物屋にはたくさんの鯖缶が売られ、へしこの種類も豊富です。小浜特有という醤油干しはどこのスーパーでも置いてありますし、個人的にうれしいのは鯖すしの存在です。
テイクアウトの鯖寿しからお店のメニューに至るまで、その選択肢は多数。当然ながら、店舗ごとに味が異なりますので、コレクター気質の私はひそかにエリア内全制覇という野望を掲げております。このライター特集記事でも、さまざまな角度から鯖すし企画を予定していますのでお楽しみに。
今回は羽田空港の空弁「焼き鯖すし」で絶大な人気を博した株式会社若廣の本社が小浜にあると知り、訪問してみました。

福井県小浜市川崎。地元以外はピンと来ない地名かもしれませんが、このエリアは小浜観光の要所といっても過言ではありません。
若狭の食文化展示をはじめ伝統工芸体験や温浴、食事も楽しめる「御食国若狭おばま食文化館」。小浜漁港に水揚げされた新鮮魚介が購入できる「若狭小浜お魚センター」。日本海の断崖や奇石などの景観が楽しめる「蘇洞門めぐり遊覧船」の発着場であり、食事やお土産も充実した「若狭フィッシャーマンズワーフ」。
小浜市川崎はこれら観光客が楽しめる施設が集中したエリアなのです。
若廣の若狭小浜本社工場もその一画にあり、「若狭フィッシャーマンズワーフ」のすぐ隣に位置しています。
若廣のルーツは「焼き鯖すし」
若廣といえば、まず頭に浮かぶのが「焼き鯖すし」。佐野専務取締役におうかがいしたところ、羽田空港での空弁売り上げNo.1を連続達成したのは2008年から2012年の5年間。これだけでも、東京での人気と知名度の高さをうかがい知ることができます。
もちろん、現在に至っても空港や直営店での販売、年間100件以上ほぼ全国の百貨店等への催事出店などの実績から「焼き鯖すし」の人気は全国規模に拡大しているといえます。各種メディアでその名を目にすることも多いですね。
若廣の「焼き鯖すし」誕生は、まだ会社として創業する前の2000年。縁あって集った創業メンバー5名は「なにか大きなことをしたい!」という熱き想いを抱き、それは「福井県として特色ある新商品」の誕生に結び付きました。
福井の郷土食である「浜焼き鯖」を棒すしにしたらどうか。そのアイデアが道を拓くことになります。 北陸三大祭のひとつ三國祭りで販売したところ、わずか1時間で200本が完売。手応えを感じ、翌年2001年8月に鯖街道の起点である小浜を拠点として創業しました。
創業後、しばらくは売り上げの振るわない日々が続いたそうです。その理由のひとつに、焼き鯖に対する固定観念があったといいます。「焼いた鯖をすしにするなんて…」そういう声が、実際に聞こえてきたのでした。
しかし、「焼き鯖すし」の美味しさに絶対的な自信があった創業者メンバーは、様々な工夫で販売力を高めていきます。もっとも効果的だったのは、試食販売。この方法を取り入れ、2003年小浜市で開催された「若狭路博」では500本の販売に至りました。
そしてほぼ同時期に、羽田空港での販売が始まりました。
きっかけは隣接する地元メーカーが空港に紹介してくれたことでした。ちょうどこの頃、国内線機内食が廃止となり、空弁がクローズアップされた時期でもありました。空港での最初の販売では、納品した30本が午前中に完売。その後「焼き鯖すし」はみるみる人気を博し、空弁ブームもあって多い時期には空港内で1日に1,000~1,500本の販売に到達。2008年~2012年は羽田空港空弁売り上げNo.1を連続で達成。そして2013年に現在の小浜本社工場が竣工し、移転しました。この時、株式会社若廣に法人形態と商号変更をしています。
若廣商品の魅力
多くの人々に支持された「焼き鯖すし」をはじめ、若廣には魅惑の商品が揃っています。どれを買ってよいのか迷うこと必至ですね。その一部をご紹介します。
まずは定番の「焼き鯖すし」。
黄金色に焼き上げられた鯖の身は、ひときわ食欲をそそります。厚みのある身と福井県産コシヒカリのシャリとのバランスがよく、鯖の脂はほどよい加減。まるまる1本食べても、食べ飽きません。鯖の身の味が前面に立ち、そのあとにシャリが追随して一体化するような味構成。ガリと大葉が中に入っていて、ほどよいアクセントになっています。
「焼き鯖すし」には複数のバリエーションが発売されています。(一部店舗のみ取り扱い)
脂乗り抜群の大ぶり国産鯖を使用し、腕利き職人が三枚おろしから仕上げまで一貫してこしらえた「焼き鯖すし【極】」。若狭伝統の醤油漬けを用いた「醤油かおる焼き鯖すし」。金沢の歴史ある酒造・福光屋の純米吟醸酒粕を使用し、ジューシーで濃厚な味わいを実現した「吟醸焼き鯖寿し」。
地域限定商品もあります。「関西出汁焼き鯖すし」は枯れ節と昆布からとった白出汁と特製の糀だれで一晩漬け込んだ鯖を焼き、紀州産南高梅の梅肉とあわせた一品。
また、季節によって期間限定商品「若狭梅の焼き鯖すし」(春)、「蔵味噌の焼き鯖すし」(秋)も登場します。
その他、しめ鯖を使用した「鯖寿し」(これも「スタンダード」「匠」「極」がある)や、小浜市と姉妹都市である奈良市の文化を取り入れた「柿の葉寿し」なども販売しています。
「すし文化」の醸成に一石を投じたいという若廣のこだわりが感じられますね。
若狭の食文化を発信「いつもそばに、もっと鯖に。」
若廣では若狭の食文化を広めるべく、鯖をアレンジした商品も開発しています。
会社の掲げたスローガンは『いつもそばに、もっと鯖に。』。
2020年11月に販売を開始したのは、新感覚洋風サバ缶「Sabastian(サバスチャン)」。洋風に味付けした鯖缶で、【ガーリック】【バジル】【トマト】【カリー】の全4種類がラインナップ。そのまま食べてもよし、パスタに和えればお手軽なソースとして使える優れもの。ワインとの相性もよく、鯖の新たな可能性が感じられます。
2024年には焼き鯖のほぐし身とオリジナルマヨネーズに豆乳や蜂蜜を加えた、食べる新感覚マヨネーズ「SABANAISEサバネーズ」が登場しました。商品は、【オリジナル】【バジル】【明太子】の全3種類。ご飯のお供として重宝するほか、パンに乗せれば白ワインのおつまみにもなります。ツナマヨがおにぎりの具材に合うように、本商品はおにぎりにも適しています。私は酢飯とあわせて手巻き風にアレンジしてみました。伝統の食文化と独創的なアイデアの融合。どちらも若廣の目指す方向性が感じ取れる商品です。
パンとの相性も抜群。ワインのおつまみに
本社工場直売所の魅力
若廣は小浜にある本社工場と東京にある葛飾工場の2か所が製造拠点ですが、鯖すし商品はすべて本社工場で作られています。そのため本社工場の直売所は、できたての商品が並ぶ唯一の場所となっています。
鯖すしは時間の経過で味が馴染むので、必ずしも“できたて”という条件が味の優劣を決めるものではありません。どちらがよいか個人の味覚に委ねられるのですが、フレッシュさという点では本社工場直売所に軍配が上がります。関西圏から鯖すしを購入するためだけに小浜に来られるお客様もいらっしゃるとか。
本社工場は外からでも鯖すしの製造過程を見学することが可能です。
小浜に来られた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。
※記事でご紹介した内容は、取材日当日のものです。
店舗や商品の最新情報は、公式ホームページ等でご確認ください。
株式会社若廣 本社工場直売所
福井県小浜市川崎1-3-5
営業時間9:00~15:00
Tel:0120-89-3844
公式ホームページ:https://wakahiro.jp/shop
【取材日:2026年2月13日】
福井県地域おこし協力隊
敦賀・若狭エリア魅力発信ライター 山田慎一
インスタグラムでもエリアの魅力をお届けしています
https://www.instagram.com/tsurugawakasa_writer
地域おこし協力隊としての生活の様子や取材こぼれ話はnoteで発信
https://note.com/reinan_writer53

































