
第2次大戦中に外交官杉原千畝の命のビザで敦賀に上陸後、ユダヤ難民が過ごした神戸でのエピソードを紹介する企画展「流氓(るぼう)ユダヤと神戸の歴史―日本に滞在したユダヤ難民」が、福井県敦賀市資料館「人道の港 敦賀ムゼウム」で開かれている。当時日本で唯一のユダヤ人コミュニティーがあった神戸で、市井の人々が温かく迎え入れた様子を写真や文書で伝えている。6月14日まで。
ムゼウムの常設展では、敦賀港に上陸したユダヤ難民に関する史実や当時の敦賀市民の証言を中心に紹介している。今回の企画展は、敦賀を離れた後、日本国内での滞在期間の多くを過ごした神戸に焦点を当てた。神戸市文書館が協力し、在日イスラエル大使館が後援している。
貿易港として発展した神戸には多くのユダヤ人が移り住み、1937年には「神戸ユダヤ共同体(神戸ジューコム)」が設立され、日本最大のユダヤ人組織があった。神戸にやって来た難民に対し、共同体は住まいの提供や生活のための給付金、出国の相談などの支援を献身的に行ったという。
1940年代に大阪を拠点に活動していたアマチュア写真家の団体「丹平(たんぺい)写真倶楽部(くらぶ)」が神戸でのユダヤ難民を撮影した写真の複製をパネルで展示した。一連の写真作品は「流氓ユダヤ」と呼ばれ、神戸の歴史を知る貴重な資料として評価されている。過酷な状況下で生きるユダヤ人たちの鋭い眼光や笑顔が印象的だ。
「汽車で来たユダヤはしばらくここに住む その後どこかへ行くんだそうだ」など、当時の神戸市民が難民の様子を詠んだ歌や、難民に関して寄せられた神戸市民の証言も紹介している。自宅にユダヤ難民を招き、和服を着てもらって床の間で記念写真を撮るなど、市民が親密に交流していた様子がうかがえる。
開館時間は午前9時~午後5時。水曜休館(祝日の影響で4月28日は休館、同29日は開館、5月6日は開館、同7日は休館)。入館料は大人500円、小学生以下300円。
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