小浜神社創建150周年の記念誌と宮司の香川さん=小浜市城内1丁目の同神社

 福井県小浜市城内1丁目の小浜神社が今年で創建150周年を迎え、地元住民が記念誌を発行した。創建に関する史料や関連する文化財の写真や紹介文などを収録し、同神社の歴史を分かりやすくまとめた。宮司の香川さんは「小浜神社は比較的新しく、創建当時の記録も残っている。創建150年を機に皆さんに伝えたい」と話す。

 同神社は小浜藩祖と称される酒井忠勝を祭り1875年、小浜城跡地に創建された。記念誌は創建100周年の際にも発行されており、今回は50年分をアップデートをしようと企画した。編さん委員会を昨年2月に立ち上げ、市などの協力も得ながら今年4月完成した。

 「創建百五十年 小濱神社誌」はA4判、33ページ。100周年記念誌をベースに、冊子のサイズや文字を大きくするなど読みやすくし、写真もカラー化した。表題は酒井家の現当主が筆を執った。

 1871年、小浜城に陸軍部隊「大阪鎮台」の分営を置くための改修時に、失火で城の大部分が焼失。滋賀の彦根城に分営の仮設置を示した文書などを掲載。内容を理解しやすくするため新たに解説文を載せた。 同神社の例祭「お城祭り」や、祭りで披露される県指定無形民俗文化財「雲浜獅子」、小浜城築城の際に人柱となった娘を供養するため作られた「組屋地蔵」なども紹介している。

 そのほか忠勝の略歴や酒井家の家系図、同神社での出来事を示す年表や歴代宮司の名前、創建時に石灯籠やさい銭箱などを寄付した人の名前なども載せた。

 香川さんは「当時まちの中心だった小浜城の跡地に神社を建てようとした人々の思いが分かった。多くの人に読んでほしい」と話した。2千部を発行し、氏子らに配った。同神社でも500円で配布している。

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