• 南越前の海にほれ…移住してカフェ 選別機にかけられる福井梅=5日、若狭町成出のJA福井県福井梅広域共同選果場
  • セレモニーで初出荷のトラックを見送る園児ら
南越前の海にほれ…移住してカフェ 選別機にかけられる福井梅=5日、若狭町成出のJA福井県福井梅広域共同選果場

 福井県若狭町などで生産されている県特産品「福井梅」の出荷が6月5日、始まった。昨シーズンは開花後の低温などが影響し、過去最低の集荷量だったが、今年は平年並みに回復する見通し。町内の農園では早朝から実のもぎとり作業に追われた。同町成出のJA福井県福井梅広域共同選果場では初出荷を祝うセレモニーが行われ、約10トンが出荷された。

 福井梅は同町で県内の8割が生産されている。昨シーズンの集荷量は現在の集荷方式となった1979年以降で過去最低の322トンだった。今シーズンは栽培に適した気温が続いたため集荷量が回復。千トンの出荷を見込んでいる。

 収穫期を迎えているのは梅酒やジュース作りに適した「剣先」。同町田井の「山田農園」ではこの日、朝から社員ら6人が照りつける日差しの中で作業。一粒ずつ手際よくもぎとり、かごに入れていった。同社の山田社長は「昨年は需要に応えることができなかった。今年は質もよく、多くの人に届けられる」と喜んでいた。

 初出荷セレモニーには、JA、市場関係者や選果場近くの梅の里保育園年長児ら約40人が出席。福井ウメ振興協議会長を務める若狭町長は「全国各地に福井梅を届けられることをうれしく思っている。これからも、みなさんで力を合わせながら福井梅を守り、育て、大きく発展させていきたい」とあいさつした。この後、出席者は「福井梅 初出荷!」の横断幕が掲げられたトラックを手を振り見送った。

 県内を中心に北陸市場に出荷される。選果作業も行われ、農家から運び込まれたウメをコンベヤーで選果し、大きさごとに次々と箱詰めしていった。

 主力品種で梅干し作りに適した「紅映(べにさし)」は11日から出荷する。

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