
収穫が始まった伝統野菜の杉箸アカカンバ=4日、敦賀市杉箸
福井県敦賀市杉箸で栽培されている伝統野菜「杉箸アカカンバ」の収穫が6月4日、始まった。3月下旬に種をまいた春まきで、丸々と育ち深い赤色の実が付いた。生産組合代表の山口さんは、成長具合を見極めながら一株ずつ手際良く引き抜いていった。
杉箸アカカンバは赤カブの一種で、150年以上の歴史がある。9月初旬に種をまく秋まきが、年間生産量の9割を占める。春まきは甘酢漬けやたまり漬けといった加工食品の需要増に対応するため、2013年に生産を始めた。シャキッとした食感で、春まきには少しほろ苦さと辛みがある。ぬか漬けにしたり、カレーに入れたりするとおいしいという。
この日、山口さんは朝から約5アールの畑で40キロを収穫した。今月末までに例年並みの約350キロ分を取り終える。「4月に雪が降ったものの発芽率はよく、十分に育った」と笑顔を浮かべた。
都内のレストラン、同市三島町2丁目のJA直売所「旬・ときめき広場」、同市砂流の市農産物直売所「ふるさと夢市場」への出荷が、全体の半分を占める。残りは加工品となり、山口さんが営む「そば処 又八庵」でも販売される。
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