• 福井県ゾーンのBGMを手掛けたアーティスト。フランチェスコ・トリスターノさん(左上)、ヂヤン・エミンさん(左下)、クロード・ヤングさん(中央)、ナカジマ・タカシさん(右上)、トリアン・カヤハトゥさん(右下)
福井県ゾーンのBGMを手掛けたアーティスト。フランチェスコ・トリスターノさん(左上)、ヂヤン・エミンさん(左下)、クロード・ヤングさん(中央)、ナカジマ・タカシさん(右上)、トリアン・カヤハトゥさん(右下)

 大阪・関西万博の関西パビリオン内の福井県ゾーンが人気を集めている。四方を大型スクリーンで囲んだ空間「時空の旅エリア」は、リアルな映像と音楽(BGM)で来場者を恐竜の世界にいざなう。没入感を高める演出の一端を担ったのが、BGMのプロデュースとミキシングを務めた仲嶌崇(ナカジマ・タカシ)さん=美浜町出身。「世界的なアーティストがコラボレーションした作品。独自性や完成度において、他のパビリオンにはないものができた」と話している。

 福井県ゾーンのテーマは「恐竜王国福井」。時空の旅エリアでは恐竜の繁栄から現代、未来までを迫力ある映像で体感できる。映像とともに流されるBGMは全部で4曲。恐竜の繁栄から未来までの1億2千万年にわたる壮大な時空の旅をイメージしている。仲嶌さんは「テクノ音楽の要素を取り入れた斬新さが特徴だ」と語る。

 参加したアーティストはDJでもある仲嶌さんとゆかりの深い、米国デトロイト出身の世界的DJクロード・ヤングさんをはじめ、マケドニアを代表する現代音楽家ヂヤン・エミンさん、世界各地で公演を行うルクセンブルクのピアニストフランチェスコ・トリスターノさん、オランダを拠点に活動し、イッセイミヤケのファッションショーの音楽などを手掛けたトリアン・カヤハトゥさんの4人。

 4人はそれぞれ展示内容など大まかなイメージをもとにインスピレーションを膨らませて作曲。仲嶌さんがミキサーとして音のバランスを調整し、各アーティストの意図を尊重しながら、全員が納得できる作品を作り上げた。トリアンさんは「映像と調和する音の世界を目指した。パビリオンを歩いた時に何を感じるのか想像して表現した」と話している。

 仲嶌さんは「万博という大きなプロジェクトに参加するということで、それぞれのアーティストが100年、200年後に聞いても恥ずかしくない最高の曲を作った」と胸を張る。世界で活躍する4人が参加した今回のコラボレーションについて「音楽業界から見て貴重で価値のあるものだと思う。この取り組みが世界に向けた福井の新たなPRにつながれば」と思いを込めた。

 BGMの一部はQRコードから聞くことができる。

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