
本年度の出荷が始まり、飲食店で提供される「ふくい岩がき」=20日、敦賀市神楽町1丁目の「なかむらや」
福井県などがブランド化を進める県産養殖イワガキ「ふくい岩がき」の本年度の出荷が5月20日始まった。ミルキーでさっぱりした味わいが特長で、8月末まで約1万個の出荷を見込む。敦賀市内の飲食店は20日から早速、提供を開始し、嶺南の夏場の新名物として期待を寄せた。
県などは2019年度から栽培漁業センター(小浜市)でイワガキの種苗生産技術の開発や試験養殖に取り組んできた。昨年6月にブランド名「ふくい岩がき」を発表し、初年度は約1万個が出荷された。敦賀市や若狭町、小浜市、高浜町の43事業者が養殖に取り組んでおり、嶺南の民宿や飲食店、魚屋に卸される。
気比神宮の門前町、神楽町1丁目商店街の料理店「なかむらや」では、西浦地区で自ら養殖する「ふくい岩がき」を「生」と「蒸し」料理で提供。オーナーは今年の出来栄えについて「身入りが良く、おいしく仕上がった。ミネラル豊富な若狭湾の恵みを多くの人に味わってほしい」と話した。
「ふくい岩がき」の出荷が始まった昨年度は注目度も高く、引き合いが多かったが、出荷量が限られることから、需要に十分に応えられなかったという。県は種苗の生産技術の開発などを進め、29年度までに年間5万個の出荷を目指す。県水産課のホームページでは、ふくい岩がきが食べられる飲食店を紹介している。
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