• 海老油の試作に取り組む高鳥さんら=昨年11月、小浜市の若狭高海洋キャンパス(同校提供)
  • 「海老油」の共同開発に携わった若狭高生=5日、小浜市の同校
海老油の試作に取り組む高鳥さんら=昨年11月、小浜市の若狭高海洋キャンパス(同校提供)

 福井県小浜市の若狭高海洋科学科の生徒6人と県内の地域おこし協力隊員らが共同で、県産甘エビの殻などを活用し「海老油(えびあぶら)」を開発した。香ばしいエビの風味が凝縮された透明感のあるオレンジ色が特長で、試作を重ねて完成させた。

 海老油作りは昨夏にスタートした。SDGs(持続可能な開発目標)の推進に向け、県地域おこし協力隊の白石さんと永野さん、当時越前市の地域おこし協力隊だった佐瀬さんの3人が廃棄される甘エビの頭や殻に着目。高校生の学びにもつなげようと同校に共同開発を提案し、当時2年生の2人が試作やラベルのデザインなどに取り組んだ。

 海老油はエビの殻と菜種油を煮詰め、香りと色を付ける。生徒2人は色をより濃くし、香りが強く出るように試作を重ね、約2カ月かけ完成させた。チャーハンやサラダにかけるのもおすすめという。

 今年3月ごろ、万博で開かれる世界海洋デーにちなんだイベント「BLUE OCEAN FES.」での販売が決まった。4月に3年生になった生徒らから活動を引き継いだ2年生4人は、ラベルデザインの改良などに取り組み、販売価格も設定した。

 6月5日は6人が集まり、パッケージデザインへの思いや「風味を感じるためのサンプルを用意する」「使用法もPRしたほうがいい」など、販売アイデアを出し合った。

 2年生の生徒は「エビ殻を使うことで食品ロスなどの課題解決にもつながることを伝えていきたい」と話した。3年生の生徒は「『福井といえば海老油』となるよう頑張って販売してほしい」とエールを送った。

 一般販売については今回の販売などを参考にしながら、検討していくという。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)