郷土の歴史を冊子にまとめている高橋さん。14冊目を制作した=若狭町無悪

 福井県若狭町無悪の元教諭高橋さんは、26年にわたって地元鳥羽谷の歴史や文化をまとめた冊子を刊行し続けている。今春、土地制度史と若狭地方を訪れた著名人の紀行文をまとめた14冊目となる冊子「鳥羽谷の歴史拾い歩き記パート3」を完成させた。高橋さんは「地域を探っていくと興味を引かれることが芋づる式に出てくる」と衰えない探究意欲を見せた。

 旧三方町出身の高橋さん。1961年から小中学校で社会科教員として勤めた。当時から歴史や民俗に興味があり、図書館に通ったり講演会に参加したりして知見を深めた。「地域に役立つことができないか」と思い立ち、退職後の2000年に1冊目を発刊した。

 以降、JR小浜線の敷設や天保の飢饉(ききん)などさまざまなテーマで執筆。制作に当たっては現地に足を運んだほか、教員時代から集めた資料が役立った。

 今回の冊子は前半で、平安時代の条里制から豊臣秀吉による太閤検地、明治維新の地租改正、戦後昭和の地籍調査までの土地制度の歴史を詳述。史料や現在もその名残を見ることのできる場所などを紹介した。後半は、民俗学者柳田國男の「北國紀行」や江戸時代の儒学者貝原益軒の「西北紀行」などから若狭地方を描いた一節を引用した。

 制作を支えるのは、20代から移り住んでいる鳥羽谷への思い。「60年も住んでいる『第2の古里』の昔の様子を少しでも語り継ぐ役割がある」。今夏には第15弾を刊行する予定だ。

 冊子はB5判で50部制作。町立図書館と小浜市の県立若狭図書学習センターで借りられる。問い合わせは高橋さん=電話0770(64)1645。

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