
福井県若狭町立温泉施設「みかた温泉きららの湯」が、全国の温泉地を対象に昨年行われた「温泉総選挙2024」の湯治ウェルネス部門で全国5位に輝いた。塩分や鉄分濃度が高い泉質などをアピールして入賞を果たし、支配人は「行ってみたいと思ってもらうきっかけになれば」と喜んでいる。
温泉総選挙は、環境省と内閣府、総務省、経済産業省、観光庁の後援を受け、一般社団法人ジャパンデザイン(東京)が事務局を務める「旅して日本プロジェクト」が主催した。2016年から毎年開かれており、昨年は8部門に計75温泉地がエントリー。8~11月に全国の1万2943人がウェブや現地で投票した。
きららの湯は05年3月にオープン。泉質は塩分や鉄分濃度が高く、神経痛や関節痛などに効能があり、保温効果も高い。縄文時代の丸木舟をイメージした足湯や露天の岩風呂、塩サウナなどがある。18年度からはオーイング(本社高浜町)が指定管理者となっている。
湯治ウェルネス部門は、湯治や現代のライフスタイルに合った体験から、心身ともに健やかに新たな気づきを得られる温泉地がエントリーする部門。きららの湯は泉質のほか、東洋医学治療を行っている鍼灸(しんきゅう)院が併設されていることなどをアピールし、全国5位、北陸エリアでは1位に。21年の健康増進部門での全国4位、22、23年の同部門全国5位に続く入賞となった。
きららの湯は16日にオープン20周年を迎え、当日は記念イベントを開催予定。19年度に約9万9千人だった入館者はコロナ禍で落ち込んだが回復傾向にあり、昨年度は約7万6千人だった。本年度も1月末時点では昨年度を上回るペースで、支配人は「地元の人はもちろん、滋賀や京都からの常連も多い。これからも愛される温泉施設であり続けたい」と力を込める。町観光商工課の担当者は「幅広い年齢層に利用してもらえるよう、施設の維持管理やイベントなどを指定管理者と協力して進めていく」と話した。
温泉総選挙2024で県内ではこのほか、美肌部門であわら温泉(あわら市)が北陸エリア1位となった。
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