
大蛇の目に見立てた的を目掛けて矢を放つ当番の男性=9日、小浜市平野の桜神社
家内安全、五穀豊穣(ほうじょう)などを願い大蛇の目に見立てた的に矢を放つ弓打ち神事(神事講)が3月9日、福井県小浜市平野の桜神社で営まれた。男性2人が放った矢は多くが命中し「今年も五穀豊穣間違いなし」となった。
言い伝えによると、1200年前、近くの村の娘がヨモギ採りの帰りに行方不明となり、捜すと池から大蛇の姿となって現れた。その後、農作物が荒らされるなど住民が困っていたところ、通りかかった武士が大蛇の目に矢を放ち退治した。大蛇を供養するため毎年3月10日、神社に参詣し弓打ちを行うようになった。現在は直近の日曜に行っている。
今年は同区の塗師谷さんと小畑さんが弓打ち当番を務めた。2人は参道から約10メートル離れた直径約60センチの的を目掛け交代しながら、それぞれ24本の矢を放った。的中すると見守っていた住民から「おーっ」といった歓声と拍手が起こった。
弓打ちに先立ち神事が行われ、赤いタスキを掛けた人身御供役の中野さんと宮本さんらが神社に参詣した。
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