• 鵜の瀬に向かって練り歩くたいまつ行列=2日、小浜市忠野
  • 火のついた大たいまつが振り回された「達陀」=小浜市の若狭神宮寺
  • 鵜の瀬で燃えさかる護摩壇を囲む人々=小浜市下根来
  • 火の粉を舞い散らせながら階段を駆け下りる大たいまつ=小浜市の若狭神宮寺
鵜の瀬に向かって練り歩くたいまつ行列=2日、小浜市忠野

 ほら貝の荘厳な音色、暗闇を照らす光の帯-。若狭地域に春の訪れを告げる伝統行事「お水送り」が2日夜、小浜市内で行われ大勢の見物客らが厳粛な神事を見守った。

 たいまつ行列の出発に先立ち、火のついたたいまつを振り回す達陀(だったん)、大護摩法要などが若狭神宮寺で営まれた。冷たい雨が降る中、境内に詰めかけた人々は豪快な炎に歓声を上げていた。

 午後7時45分ごろ、護摩壇の炎が移された大たいまつを先頭に行列がスタートした。地元の小浜美郷小6年生は協力して作ったたいまつを担いで列に加わり、一般参加者も次々続いた。

 送水神事が行われる鵜(う)の瀬は雪が所々に残り、遠敷川の激しい流れがぶつかり合う音が響き渡っていた。白装束の山伏らがほら貝を響かせ、炎と水が織りなす神秘的な雰囲気の中、御香水(おこうずい)が静かに川に注がれ、周囲の人々は目を奪われていた。

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