• 「ささえ農園の宿」の前で「宿泊者に食と命の大切さを感じてもらいたい」と話す佐々江さん=敦賀市沓見
  • 平飼いされた鶏や産み落とされた卵。宿泊者は朝、自分で拾って卵かけご飯にして食べる
「ささえ農園の宿」の前で「宿泊者に食と命の大切さを感じてもらいたい」と話す佐々江さん=敦賀市沓見

 福井県敦賀市沓見の山あいで平飼い養鶏を行う「ささえたまご農園」が3月1日、敷地内にある築50年の空き家を改修した農業体験民宿「ささえ農園の宿」をオープンする。宿泊者は朝、起床し養鶏場で拾った卵をご飯にかけて食べたり、日中に園内で飼育するポニーやヤギの餌やりを体験したりできる。代表の佐々江さんは「農園に泊まって食や命の大切さを感じてほしい」と話している。

 農園では、現在約200羽のニワトリやヤギの「さくら」、ポニーの「ジョナ」を飼育。卵拾いや動物への餌やりができるほか、昨年9月からは、ポニーの乗馬ができる体験プランも始め人気を集めている。観光客や農業に関心のある学生に、宿泊を通してより深い農園の暮らしや仕事の体験をしてもらおうと、空き家になっていた妻の実家を改修した。

 県の「多様な宿泊施設整備支援事業」を活用し、県と敦賀市からそれぞれ500万円の補助を受け、総工費は1500万円。床や内壁を全面的に張り替えたほか、リビングを新たに作り、キッチンで宿泊者が自由に料理できるようにした。1階に6人部屋、2階に4人部屋と2人部屋を設けた。

 隣接する納屋には、佐々江さん自作の自転車スタンドや整備工具が置かれている。県の「わかさいくるサイクリストに優しい宿」にも認定された。

 オープンに向け、佐々江さんは「農業体験に関心のある人が増えている。敦賀への誘客の一助になれば」と期待する。宿泊は1日1組で、最大12人まで宿泊できる。同農園ホームページで予約を受け付けている。

 素泊まり(大人1人7700円、3~12歳1人3850円)など5プランを用意。素泊まり以外のプランで卵拾いや卵を使った夕食作りができる。動物の餌やりやポニーとの散歩はいずれのプランでも体験できる。

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