• 芽立ちを確認する野村区長(左から2人目)ら=13日、小浜市加茂の加茂神社
  • 昨年埋めた木箱を取り出す氏子=13日、小浜市加茂
芽立ちを確認する野村区長(左から2人目)ら=13日、小浜市加茂の加茂神社

 1年間埋めた木の実などの芽立ち具合で今年の作柄を占う「オイケモノ神事」が2月13日、福井県小浜市加茂の加茂神社で営まれた。木箱からクリなど7種類の植物を取り出すと力強く芽を出した種もあり、代表区長は「今年も豊作間違いございません」と宣言した。

 神事は8世紀初頭から続くとされ、毎年旧暦の1月16日に行われる。2007年、国選択無形民俗文化財に指定された。

 氏子ら50人ほどが社務所に集まり、来年の神事に向けトコロイモ、クリ、シイ、干し柿、ドングリ、カヤ、ギンナンの「物実(ものざね)」と、「牛の舌」と呼ばれる平たい餅を縦約10センチ、横約20センチ、高さ約10センチの杉の木箱に入れた。

 箱を持った行列は境内の「上の宮」に移動。道中、大蛇を追い払うため「うおお」と大声で叫んだり、蛇の目に見立てた的に向け矢を放ったりした。上の宮に到着すると、1年前に埋め土にまみれた木箱を神木の根元から掘り出し、新しい箱を埋め直した。

 社務所に戻り代表区長らが箱に入った物実を取り出し、芽立ち具合を確認。代表区長が「大雪、酷暑、水不足に耐え、力強く芽を出し、はじけんばかりに膨らんだ種がある」と占い口上を述べると、氏子は拍手で喜んだ。

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