収穫が始まった春まきの杉箸アカカンバ=11日、敦賀市杉箸

 福井県敦賀市杉箸で、伝統野菜「杉箸アカカンバ」の収穫が6月11日、始まった。4月初旬に種をまいた春まき。生産組合代表の山口さんが、丸々と育った深みのある赤色のカブを手際良く引き抜いていった。

 山あいの集落で150年以上前から守り伝えられてきた杉箸アカカンバは赤カブの一種で、しゃきっとした歯ごたえとほろ苦さが特徴。9月初旬に種をまく秋まきが年間生産量の9割を占める。春まきは加工食品の製造や需要増に対応するため、2013年に生産を始めた。

 この日は朝から、3アールの畑で、出来栄えを確認しながら約20キロを収穫した。アカカンバを手に取った山口さんは「風や雨の影響が心配だったが、順調に育ってくれて良い出来」と笑顔を見せた。今年は、出荷に加え山口さんが営む区内のそば店「又八庵」でも販売するため、例年より約100キロ多い約300キロを7月初旬までに収穫する。

 東京のレストランへの出荷が中心で、同市三島町2丁目のJA直売所「旬・ときめき広場」と同市砂流の市農産物直売所「ふるさと夢市場」でも販売される。山口さんは「シチューやサラダの中に入れたり、漬け物にしたりするとおいしい。多くの人に食べてもらいたい」と話している。

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