
アコヤガイに核入れ作業を行う従業員=20日、おおい町犬見の間宮真珠養殖場
核が移植されるアコヤガイ
アコヤガイに核入れ作業を行う従業員=20日、おおい町犬見の間宮真珠養殖場
きめが細かく美しい色が人気の真珠「若狭パール」の核入れ作業が、福井県おおい町内の業者で本格化している。今年は昨年並みの約10万個のアコヤガイに核を入れる予定。小浜湾で育てられ、12月ごろ深い光沢を持った上品な真珠に成長する。
同町犬見の間宮真珠養殖場は5月16日、真珠の元を母貝となるアコヤガイの体内へ埋める核入れ作業を始めた。従業員はアコヤガイの卵巣に切り込みを入れ、直径約3~5ミリの丸い核と1ミリ四方に切った細胞「外とう膜」を移植していった。
核入れ作業に13年ほど携わる間宮さんは「貝はデリケート。良い真珠ができるよう丁寧に扱っています」と話し、丹精込め手際よく核入れしていた。7月中旬まで1日平均約1100個のペースで作業を続ける。
核入れ後は作業場近くのいかだに1カ月ほどつるして貝を休ませ、沖合で養殖する。フジツボなどの付着物を1、2週間ごとに取り除きながら育て、冬までに7~9ミリほどに成長させる。
店長は「若狭パールは巻き(真珠層の厚さ)、照り(輝き)ともに質の高いのが特長。順調に成長してほしい」と話していた。
若狭パールは12月~来年1月に取り出され、真珠産地の三重県に卸したり、自社で加工したりして販売する。
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