
生ガキや酒蒸し、しゃぶしゃぶなど若狭うららカキを使ったメニュー=小浜市志積の民宿上田屋
福井県小浜市などがブランド化を目指す生食可能なマガキ「若狭うららカキ」をふんだんに使ったコース料理が同市内の民宿で提供されている。流通量がまだ少なく“レア”なカキだが、民宿の男性は「生産者と連携しながら、うららカキが食べられる場所を提供し、認知度を高める一助になれば」と話す。
うららカキは市や小浜市漁協、県立大が2023年度から小浜湾などで養殖を進めている。専用かごに種苗を入れて育てる「シングルシード方式」を採用しており、均一に栄養が行き渡り実入りが良い。種苗は広島県から取り寄せたもので、高水温にも強く生育スピードも速いという。
小浜市漁協で殺菌処理を行っており、生で食べることができる。昨年3月には市内飲食店で試験販売を行うなど、本格出荷に向けて準備を進めている。
コース料理は同市志積の民宿「上田屋」で提供している。運営する上田さんが実入りの良さに感動し、冬場の集客を目的にメニューを考案した。
同市仏谷産を用い、コースメニューは生ガキやしゃぶしゃぶ、カキご飯など計6品。「加熱するとうまみが凝縮される」と上田さん。要望に応じて内容を変えることもできる。出荷状況次第だが通年での販売を予定している。
上田さんは「生産には若い世代も関わっている。これまで続いてきた小浜の水産業をさらに続けていくきっかけになれば」と話した。
1日2人以上で最大2組ずつ昼と夜にそれぞれ受け入れる。価格は1人6800円で3日前までに予約が必要。問い合わせは上田さん=電話090(2377)1332。
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