水上さんが集めた絵画や自身で描いた水彩画など、約30点が並ぶ収蔵品展=おおい町岡田の若州一滴文庫

 福井県おおい町出身の直木賞作家、水上勉さん(1919~2004年)が収集した絵画を紹介する収蔵品展「水上勉の集めた美術の粋」が、おおい町岡田の若州一滴文庫で開かれている。著名な画家の作品と自身で描いた水彩画1点の計約30点を展示。親しかった画家に贈った賛辞文もパネルで紹介している。5月18日まで。

 水上さんは生前、美術品を購入したり、知り合いの美術作家から譲り受けたりし作品を集めていた。一滴文庫では毎年、水上さんが町に譲った約500点の収蔵品の中から作品を公開している。

 今回は画家7人の作品を展示。故金子太郎(1928~79年)の油彩画は、裾野に広がる野草の風景を繊細な筆遣いで写実的に描かれている。水上さんの著書「絵のある風景」(86年)の中では、金子の生きざまへの憧れや賛辞を赤裸々につづっている。

 故須田剋太(06~90年)とは、友人を介して知り合い、個展に通ううちに親しくなった。水上さんに贈られた絵画「越前海」「冬の越前海」の2点は、水彩絵の具「グワッシュ」で岩場と荒れる海を大胆に描いてある。ともに裏面には、タイトル、自身の名前とともに「水上勉氏におくる 一九八四.七.三〇」と書かれている。裏面を複製したパネルからは2人の親密さがうかがえる。

 水上さんが竹紙に墨と水彩絵の具で描いた「達磨の縄跳び」は、縄を飛ぶ服のしわや姿勢の描き方で躍動感を出している。このほか、水上さんの著書の挿絵の原画などが展示されている。

 一般300円。高校生以下無料。午前9時~午後5時。7、12日休館。

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