沓見御田植祭で奉納された王の舞=5日、敦賀市沓見の久豆彌神社

 福井県無形民俗文化財に指定されている敦賀市沓見の「沓見御田植祭(くつみおたうえまつり)」が5月5日、区内で営まれた。伝統衣装姿の住民らの行列が二つの神社を練り歩いた。市内で唯一受け継がれている「王の舞」など神事芸能を奉納し、豊作を祈った。

 祭りは男宮の信露貴彦(しらきひこ)神社と女宮の久豆彌(くつみ)神社が合同で行う。地元の保存会によると、平安中期から続くとされ、途絶えた時期もあったが2003年に保存会が復活させた。

 酒奉行など各役割の衣装に身を包んだ住民が、男宮36人、女宮32人の行列を作り沓見公会堂からそれぞれの神社へ向かった。祭りのシンボルの御幣を高く掲げ「ヤーホーハイヤー」と独特のかけ声を響かせ、にぎやかに進んだ。

 信露貴彦神社で芸能を奉納した男宮の行列は、久豆彌神社へ向かい、出迎えた女宮の行列と合流。同神社拝殿で、男宮と女宮の子どもたちが交互に王の舞や獅子舞を厳かに奉納した。男衆は田植え歌を歌い、農具「えぶり」と苗に見立てた杉の葉を手に舞い、田植えの様子を表現した。

 その後、男宮と女宮の行列は一緒に信露貴彦神社へ向かった。最後は同神社近くの「馬場(ばんば)」と呼ばれる場所で、互いの御幣を合わせて祭りを終えた。住民は無病息災の御利益があると伝わる御幣紙を家に持ち帰った。

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