船みこしを載せて敦賀湾を渡る御座船=22日、敦賀湾

 福井県敦賀市の気比神宮の祭神と常宮神社の女神が年に1度の逢瀬(おうせ)を楽しむ伝統神事「総参祭(そうのまいりのまつり)」が7月22日、両神社で、営まれた。気比神宮の仲哀(ちゅうあい)天皇のご神体が船で敦賀湾を渡り、対岸にある常宮神社に祭られる妻の神功(じんぐう)皇后との再会を果たした。

 海上の安全と豊漁を祈願する神事で、一説によると平安時代から続くとされる。

 気比神宮での神事後、白装束に烏帽子(えぼし)姿の氏子青年会員が、仲哀天皇のご神体を載せた船みこしを台車でひき、行列を作り敦賀港の天満桟橋まで練り歩いた。桟橋で紅白の垂れ幕や吹き流しで飾られた御座船にみこしを載せ、約4キロ先の常宮神社へ向かった。神社近くの桟橋に到着した後は、同神社拝所まで一同でみこしを担いで歩いた。

 拝所では「入御(にゅうぎょ)の儀」として、仲哀天皇のご神体を本殿に運び入れた。神功皇后のご神体の横に安置し、二つのご神体が並んだ。

 約2時間の“再会”を果たした後、仲哀天皇のご神体は再び敦賀湾を渡って気比神宮へと戻った。七夕の織り姫とひこ星を思わせるロマンチックな神事を一目見ようと、両神社には多くの見物客らが集まった。

 気比神宮の氏子青年会長は「このスタイルで行う神事を、これからもずっと守っていきたい」と話した。常宮神社の禰宜(ねぎ)は「地域の安寧や海上安全を胸に臨んだ。今年も無事にこの日を迎えられた」と話した。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)