収穫が最盛期を迎えた伝統野菜「杉箸アカカンバ」=19日、敦賀市刀根

 福井県敦賀市杉箸で栽培されている伝統野菜「杉箸アカカンバ」の収穫が最盛期を迎えている。9月初旬に種をまいた秋まきで、不作だった昨秋から一転して約3千個の収穫を見込む。生産組合代表の山口さんは丸々と育った深い赤色のカブを引き抜きながら「きちんと育って安心した。生育期に雨が適度に降り、品質はとてもよい」と太鼓判を押す。

 同市杉箸を中心に150年以上守り続けられてきた杉箸アカカンバは、赤カブの一種でしゃきっとした食感。ほろ苦さや辛味があり、断面には鮮やかな赤いサシが入る。山口さんは「一夜漬けや甘酢漬けで簡単においしく食べられる。煮崩れしないのでカレーにもおすすめ」と話す。

 昨年は猛暑と雨不足で生育不良となり、収穫量は約300個にとどまった。今年は残暑が続いたものの、適度に雨が降ったことで順調に育ち、3、4年ぶりの豊作という。

 山口さんは19日、同市刀根の18アールの畑で、組合員2人と出来栄えを確認しながら180個ほどを引き抜いていった。収穫は来年2月ごろまで続く。都内のレストランに出荷されるほか、同市三島町2丁目のJA直売所「旬・ときめき広場」や同市砂流の市農産物直売所「ふるさと夢市場」でも販売される。個別販売も行う。問い合わせは山口さん=電話090(8266)1048。

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