暮らすような観光No.1 獲れたて鮮魚自慢 

 

 

 福井県小浜市、小浜漁港ほど近い場所に、若狭小浜お魚センターはあります。道を挟んで向かいには蘇洞門めぐり遊覧船の発着場となる若狭フィッシャーマンズ・ワーフが位置しており、このあたりは観光客にとって利便性のよいエリアといえます。

若狭小浜お魚センターは12の店舗で構成されており、中央の通路を挟んで左右両側にお店が並んでいます。中央の1本道を歩くだけの移動になるので、お店をすべて見ても、たいして時間はかからないでしょう。私の場合、商品を眺めながらまず1往復。当日の商品状況をざっと把握し、気になったお店に再び戻って購入しています。店頭に並ぶ鮮魚類は、基本的に漁の結果に左右されます。何が売りに出されるかは、神ならぬ海のみぞ知る⁉です。

   若狭小浜お魚センター内の様子

 

 

~店頭に並ぶは若狭湾の幸~

 若狭小浜お魚センターの各店舗に並ぶのは、小浜漁港で水揚げされた海産物が基本となります。各店は仲買人の資格を持ち、セリ落とした海産物は間もなくこちらに運ばれてきます。もともと若狭小浜お魚センターは料理屋、旅館、スーパーなどを対象とした卸売りが基本で、それは今でも続いています。小浜市や近隣地域に加えて、交通網の発達により関西・中京圏から来られるお客様が増えたことで、小売りもするようになりました。現在は静岡、岡山、広島などからも来られる人がいるそうです。

 人気の理由は、鮮度・価格・魚類の豊富さ。若狭の海は暖流と寒流が混ざりあい、日本海でも有数の漁場となっています。魚種も季節により変化しますので、魚好きは四季それぞれ要チェックです。

 11月6日は、カニ漁解禁の日でした。漁にあわせ、各店舗にもカニが多く並びます。越前がにのメスであるセイコガニは12月まで、オスは3月までの期間限定漁となりますので、地域にとっても大切な秋冬の風物詩といえます。

 11月・12月はほかに若狭ぐじ(甘鯛)、若狭かれい、アカガレイ、アオリイカ、若狭ふぐ、若狭かきなどが旬を迎えます。   漁のあった日は、立派な越前がにが並びます

 

 鮮魚のほか、小浜特有「醤油干し」はぜひとも試してほしい逸品。魚の干物は全国的にみられますが、醤油に漬けたものは小浜独特だとか。見ためは飴色がかり、みりん干しを想像させます。実際にはみりん干しのような甘味はなく、醤油の味もあまり強く主張しません。焼くことで香ばしさと照りがアップします。はじめてサバの醤油干しを食べたときは、ジュワリと染み出る脂の旨味に感動しました。日本酒やご飯とも相性は抜群で、飲みすぎ・食べすぎ注意報発令です。

  小浜名物・醤油干し お酒にもご飯にも

 サバ以外にもアナゴ、アジ、イワシなど、さまざまな素材が売られていますので、何を買おうか選択に迷うこと必至。持ち帰りが難しい場合でも、敷地内の七輪焼き広場(有料)を利用して、その場で焼いて食べることができます。

※七輪焼き広場休業日:冬季(12月~2月)、水曜日、悪天候日

 

 醤油干し以外にも、小鯛ささ漬や鯖へしこ、浜焼き鯖などの若狭名産品を扱っている店舗が複数あります。また各種刺身やフライなどの総菜が並ぶお店もありますので、自分のお気に入りを探してみてはいかがでしょうか。   七輪焼き広場

 

~若狭小浜お魚センター攻略法⁉~

初めてこちらを訪れた時のこと。インターネットで事前に調べた案内には、営業時間午前7時~12時となっていました。それを鵜吞みにして11時過ぎに来てみたら、ほとんど商品が見当たりません。それもそのはず、仕入れた分が売れてしまえば、基本的には在庫補充はありません。売切れ御免となるケースが多いので、特に遠方から来られる場合はご注意を。

 

それでは7時に来ればよいかというと、その時間はまだ商品が出揃っていない可能性があります。鮮魚の場合、当日漁港でセリがあり、そこで仕入れたものが店頭に並びます。このタイミングがもっとも商品が揃うといえますが、これはお店によっても時間差が生じます。SNSのクチコミでは8時30分過ぎがよいという意見がありました。それでも、取材でお邪魔した日はこの時間ではまだ商品が並びきっておらず、あくまでひとつの目安と思ったほうが良いかもしれません。

買い物客が多いであろう週末は、平日より商品が多い印象です(これも漁の結果次第)。私が伺った日は、10時頃でも商品が豊富でした。不確定要素はありますが、これも獲れたての魚介類を扱うがゆえ。運に左右される分、思いどおりの収穫があった日は喜びもひとしおです。ちなみに、水曜日にお休みを取る店舗が多いようですので、お出かけの際は事前に確認したほうがよさそうです。

漁は定置網・底曳き・はえなわ・えび曳きなどがあり、それにより獲れるものが異なります。素人には漁の情報がつかみづらいのですが、お店によってSNSを用いて情報発信しているところもありますので、自分なりの情報源を探してみるとよいかもしれません。

  刺身や総菜を扱うお店も

 

 

~珍種発見⁉レア食材に大興奮~

 私は関東の都市部での生活が長かったので、魚はスーパーでの購入が定番でした。ですから若狭小浜お魚センターの醸し出す雰囲気が嬉しくてたまりません。こちらではバレンと呼ばれるバショウカジキは、いままで出会えなかった魚です。たまに店頭で売られているサメのニンニク醤油フライは、すっかり我が家の人気総菜に。ガラエビ、オニエビといった名前すら知らないエビの姿をみつけて大興奮。レアな魚介類との遭遇も、港町ゆえの醍醐味のひとつです。

小浜市内には旅館・ホテル・町家ステイ・民宿などの宿泊施設が揃っていますので、ぜひ若狭小浜お魚センターと組み合わせて港町ライフを体験してみてはいかがでしょうか。

 仕入状況等により価格は変動します。

  センター内には刺身定食や海鮮丼が人気の食事処も