車がなくても大丈夫‼期間限定運行ゴコイチバスを体験してみました

 

 今回は期間限定(2025年4月26日~11月24日の土日祝)で運行されている「ゴコイチバス」を利用して、秋の三方五湖エリアを体験取材しました。ちなみに、若狭三方()()をぐるっと(イチ)周できる路線バスなので「ゴコイチバス」という名前だそうです。

 

 ゴコイチバスはJR敦賀駅が出発点ですが、私は途中のJR美浜駅から乗車しました。小浜駅周辺に住んでいますので、JR小浜線下りを利用して美浜駅に8:47到着です。バス停は一瞥しただけでは分かりづらかったのですが、小さなロータリーを挟み、駅出口から正面方向にありました。2、30m先でしょうか。駅を背にして、左側からロータリーを回り込むように移動しました。

 バス出発時刻は9:04でしたので、場所さえ分かればじゅうぶん時間の余裕があります。

 

 私が選んだ最初の目的地は、「美浜町レイクセンター」。バス乗車時間は約10分で、9:15頃に到着しました。すぐにチケット売り場に向かい、三方五湖ネイチャークルーズの乗船券を購入しました。ちょうど9:30発便があり、そのまま乗船となります。

 国内初・再生可能エネルギー活用の電池推進遊覧船は、低層で独特のフォルム。エンジン音がなく、振動が少ないのが特徴で、自然&野鳥観察に最適とのこと。この日はクルーズ中に野鳥が多くみられ、その鳥の名を船内で配布された野鳥リストと照合して知る楽しさがありました。またカワセミも生息していて、運がよければ見ることができるとか。今回は残念ながら見られませんでしたが、猿が岸辺に登場して船内が盛り上がりました。

 船は久々子湖から約360年前に開削された人工水路である浦見川を通り、水月湖へと移動します。浦見川の景観は圧巻で、その成り立ちを説明するガイドさんの話にすっかり聞き入ってしまいました。

 晴れていれば途中からデッキが開放され、乗船者は清々しい湖の風を感じながら雄大な風景に酔いしることができます。約50分のクルーズ、見応え間違いありません。

 

 クルーズ終了10:20。次のゴコイチバスはレイクセンター10:35発です。ちょうどよい時間組みですね。今度は「レインボーライン山頂公園」に向かいます。この日は土曜日でしたが、道路の渋滞なく標準所要時間約20分で到着しました。

 バス下車後、駐車場そばの案内所でチケット購入。山頂公園入園料1,000円には往復のリフトまたはケーブルカーの乗車料が含まれています。リフトかケーブルカーの選択はチケット購入後、乗車前に選べます。往きはケーブル、帰りはリフトというような選択をすれば、両方体験できます。山頂まで所要約2分ですが、乗るまでに待ち時間が発生するかもしれません。

いよいよ、山頂に到着です。眼下に広がる三方五湖の大パノラマ。360度・全方位の感動が押し寄せてきました。公園には五湖テラス、若狭テラスなど絶景を望む5つのテラスがあり、それぞれに違う景色を見せてくれます。

 神社、足湯、2つのカフェ、幸せの鐘などもあり、老若男女が楽しめるスポットでした。写真撮りまくりになりますが、お団子やパフェなどを食べて、まったりするもよし。気候が良ければ、長居したくなる至福の場所です。

 

 駐車場に戻り、バスが来るまでランチタイム。「レストラン&カフェRAINBOW」では若狭牛ステーキライスや地元食材を用いた鉄板焼き、オリジナルピザなどの多彩なメニューをいただけます。ドリンク&スイーツも充実。私はテラス席を利用しましたが、山頂と遜色ない景色を眺めながらの食事は格別でした。

 

 残りの時間は、隣接の「レインボーショップにじいろ」でお土産タイム。若狭町の「紅映梅」や美浜町「サバのへしこ」など地元名産品、若狭塗箸の伝統工芸品をはじめ、福井県の特産品や越前和紙、恐竜グッズなども揃えてありました。山頂公園にあるローズ庭園にちなんだローズ商品にも目を奪われます。

 山頂公園に到着したのが10:57。次のバス12:42発まで1時間45分。時間を持て余すかと思いましたが、少し駆け足気味⁉あと10分は欲しいかも。

 

 次に下車したのは、2つの博物館と道の駅があるバス停「縄文ロマンパーク」。山頂公園から約30分、到着は13:12でした。

 湖に面した広大な敷地を有する縄文ロマンパークは散歩するだけで心地よく、この中に「福井県年縞博物館」と「若狭三方縄文博物館DOKIDOKI館」が立地しています。

 「年縞(ねんこう)」とは、プランクトンや鉄分など、季節によって異なるものが湖の底に毎年積り、縞模様になった泥の地層のこと。水月湖の年縞は世界最長の45mで、7万年分になるそうです。なぜ水月湖にこれだけの年縞が眠るのか。わかりやすく説明されていますので、ぜひとも訪れてその答えを探してみてください。

また 「若狭三方縄文博物館DOKIDOKI館」は、付近の鳥浜貝塚で発掘された縄文時代の遺物を数多く展示しています。出土した多数の土器、原形をとどめた丸木舟などから当時の暮らしを想像し、歴史の楽しさをあらためて実感できます。

(左)福井県年縞博物館 (右)若狭三方縄文博物館DOKIDOKI館

 

 旅の最後は、やはりショッピングで締めたい‼

「道の駅三方五湖」は縄文ロマンパークのバス停から徒歩約1分の距離にあります。地元の特産品を中心に、こちらも商品が充実しています。売り場で目立つのは、地域特産の梅商品。梅干しだけでも、いったい何種あるのやら。また若狭三方ビバレッジの梅酒ラインナップも壮観です。甘くない梅酒BENICHUは、私はまだ未体験。食前酒に最適かも⁉と思ったら、いつのまにか両手いっぱいのお土産を抱えて、帰りのバスに乗り込んだのでした。

 縄文ロマンパークでは約2時間の滞在となり、15:08発のバスに乗車。JR美浜駅にはほぼ定刻通りの15:30の到着となりました。JRの出発時間まで少し余裕があったので、今度はバス停近くの「道の駅若狭美浜はまびより」を覗いてしまいました。ダメ押しの買い物をしたのは言うまでもありません…。

 

道の駅三方五湖店内の様子

 

 1日を振り返ると、ゴコイチバスの時間は総じてちょうどよい設定だと感じました。スケジュールに追われることなく、旅を楽しむことができます。一方で、若狭町の湖上クルーズ「若狭町観光遊覧船レイククルーズ」や地酒販売「三宅彦右衛門酒造」と「鳥浜酒造」、梅商品が並ぶ「梅の里会館」など今回は見送ってしまった観光スポットも多々あります。次回はこのエリアで宿泊し、2日間かけて楽しむのもアリですね。