【魅力発信ライター特集記事】福井県敦賀市　ミライエ2025と新スタイル敦賀ラーメン

2025.12.19（Fri）

港を彩るライトアップイベントと技巧派ラーメンの夜

ユーラシア大陸の玄関口や北前船の寄港地として発展してきた港町・敦賀。その影響で、明治初期には日本海側で初となる線路が敷かれることになりました。その後、柳ケ瀬トンネルの完成で敦賀・長浜間が全線開通し、鉄道の利便性が向上します。
明治後期には新橋‐金ヶ崎（後に敦賀港駅と改称）間を欧亜国際連絡列車が運行。ウラジオストク直行の船と連絡し、その先はシベリア鉄道を経由してヨーロッパに向かうことができたのです。
　このような背景があり、敦賀には今なお残る港湾・鉄道にまつわるレトロ浪漫スポットがあります。敦賀赤レンガ倉庫、敦賀鉄道資料館、人道の港敦賀ムゼウム、敦賀市立博物館など、敦賀港周辺をめぐって当時の面影に触れることができます。
　

昼間の金ヶ崎緑地

敦賀の幻想的な夜のライトアップ・ミライエ

金ヶ崎緑地は、敦賀港を臨む緑化公園です。
海沿いにボードウォーク・ボードデッキが敷かれ、潮風に吹かれながらの散策は港町ならではの心地よさを提供してくれます。
この金ヶ崎緑地を舞台に開催されている冬季ならではのイベントが「ミライエ」です。

２０２５年はLED電球約６5万個超を使用し、敦賀港の夜は幻想的な雰囲気に包まれます。このイベントは市民有志による「敦賀・鉄道と港」まちづくり実行委員会が２０１４年から行っており、今回で12回目を迎えます。
ミライエの名は一般公募で決まりました。敦賀の未来、２年目３年目への繋がりと飛躍、未来への光を放つように、などの意味が込められているとのこと。
会場は青く光る幻想的な海原や、金色に輝く光のトンネル、ハートや球体のオブジェ、北陸新幹線のデザイン、氣比神宮を模した可愛らしい鳥居などで彩られ、ご家族連れやカップルなどが感嘆の声を上げていました。

北陸新幹線や氣比神宮の鳥居もモチーフに

ミライエ２０２５の開催は、１１月３日（月・祝）～１２月２５日（木）まで。１１月は金曜日、土曜日、日曜日、祝日のみの開催でしたが、１２月は毎日点灯となっています。
点灯時間は１８：００～２１：００です。

幻想的な風景が楽しめます

光のトンネル

夕食は敦賀のグルメを堪能したい！！

幻想の世界から現実に戻り、込みあげてくるのは食欲の狼煙。
夕食は、敦賀グルメをいただきましょう。
今回は敦賀駅まで戻り、駅前の「otta（オッタ）」にある「麺場かもめ」を訪問。
敦賀では高名な「麺匠かぐや」の系列店で、期待が高まります。
２０２５年８月オープンということで、店は大変綺麗ですね。
清潔感があり、店内は気品すら感じさせます。

麺メニューは３種類。

・鶏×和の調和「かもめ流淡麗醤油らーめん」
・港町の潮風薫る「敦賀真鯛潮らーめん極」
・潮風と甘海老、香り立つ「鯛と海老の香味らーめん渚」

どれも美味しそうですが、初めての店はあまり冒険しないのが私のセオリー。
「かもめ流淡麗醤油らーめん」を選択しました。
せっかくの敦賀ナイト、麺だけで終わらせるつもりはありません。
サイドメニューには「マグロたたきと塩昆布の和風小丼」「焼き鯖ほぐし身と梅干の若狭小丼」など他店では見ない魅惑のミニ丼があるものの、敦賀港から徒歩30分以上をかけて歩いてきた身にはビールの誘惑がのしかかります。
麺とビールが確定したら、やはりここは餃子がベストマッチかと。
餃子は餃子でも、海老餃子を選択しました。港町の海老餃子、期待が高まりますね。

お店は敦賀駅西口・otta内

最初に生ビールで口を潤し、口中の感度を上げておきましょう。
海老餃子につけるタレは、単純に醤油ではありません。白だしと企業秘密な材料とで作られていて、餃子の海老感を盛り上げます。
海老の質感もバッチリ。プリップリという月並みな言い方はしたくありませんが、それ以外の形容が思い浮かびません。

ビールと海老餃子の相性は抜群

やはりビールとの相性は最高でした。
そして、いよいよ「かもめ流淡麗醤油らーめん」のお出ましです。
鶏の旨みを芯にした清湯スープ。
和の技法で比内地鶏・昆布・かつおの旨みを丁寧に引き出し2種の醤油を絶妙なバランスで配合した醤油ダレ。
豚肩ロースを低温調理したレアチャーシューは、旨味を舌に残してハラリと消えていきます。
鶏胸肉の炙りほぐし身は、主役を支える名脇役。
穂先メンマは味と食感のアクセントとなって、作品を完成させるのでした。
もちろん、スープを飲み干したことは言うまでもありません。
次回の再訪と、全メニュー制覇の誓いを立てたことを公言しておきましょう。