
福井県内の障害者や特別支援学校の児童生徒らを対象とした公募アート作品展「第16回きらりアート展」(福井新聞社後援)が10月16日、若狭町パレア若狭で始まった。独創性あふれる応募作品全175点を展示。同作品展実行委員長で、審査員を務める現代美術作家の長谷光城さんは「作品はどれも作者の集中力や緊張感が感じられ、見る人の心に訴えてくる」と講評する。27日まで。
障害者の芸術の才能発掘や生きがいづくりとともに、地域住民に障害者福祉への理解を深めてもらおうと、長谷さんが理事長を務めるNPO法人「若狭美&Bネット」が2010年に初めて企画した。
現在は若狭町社協を事務局に、教育や障害福祉関係者らでつくる実行委が開いている。長谷さんによると、県総合美術展の入賞者を輩出するなど、年々作品のレベルが高まっているという。
今年は、平面作品175点の応募があり、中学生以下の児童の部と高校生以上の一般の部に分け、入賞50点が選ばれた。会場では、絵画や書、織物など応募全作品を展示している。
さをり織りの糸を束ねて枠いっぱいに敷き詰め、その上に糸の芯をメガネの形に並べた竹中清香さんの作品「わたしメガネをかけました」は、豊かな色彩が特徴的。束の重ね合わせにより、半立体に見せる工夫が施されている。
色のついた丸いシールだけを使って、自分の日常の様子を絵画のように表現した松浦明順さんの「毎日のフィルム」や、ビーズやラメ入りの画材でオーロラを表現した南越特別支援学校中学部Aの「空にかがやけ!なんえつオーロラ」など、独自の感性を発揮した力作が来場者を楽しませている。
長谷さんは「作品展に出品することが障害者にとっても生きる喜び、励みになっている。個性が光る力作をぜひ見に来てほしい」と話している。
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