オーケストラの演奏に合わせ「歓喜の歌」を歌う合唱団=14日、小浜市文化会館

 福井県小浜市の師走の恒例イベント「若狭小浜第九演奏会」(福井新聞社後援)が12月14日、市文化会館で開かれた。市民らでつくる合唱団がドイツ語でベートーベンの交響曲第9番第4楽章「歓喜の歌」を高らかに歌い上げ、聴衆の胸を打った。

 市民らでつくる実行委員会と文芸おばまの主催で行われ、今年で32回目。小学2年から80代までの合唱団員84人は7月から週1回のペースで練習に励んできた。セントラル愛知交響楽団が演奏を担当し、同楽団正指揮者の古谷誠一さんがタクトを振るった。

 演奏会は同楽団フルート奏者、河合雪子さんによるモーツァルトのフルート協奏曲第1番で幕開け。同楽団の繊細さなハーモニーに合わせ、河合さんが軽やかなフルートの音色を響かせた。

 メインの第九では同楽団が迫力ある演奏で第1~4楽章を披露。クライマックスの第4楽章で合唱団は4人のソリストとともに伸びのある力強い声で堂々と歌いきり、聴衆から温かい拍手を受けていた。ソプラノを担当した市民は「楽しかったしお客さんもたくさん来てくれてうれしい。一体感など練習で積み重ねてきたことが本番でも出せた」と笑顔だった。

 小浜市文化会館は2026年4月から28年3月末までの2年間、耐震改修工事に入るため、その期間は高浜町文化会館に会場を移して開催する。実行委員長は「高浜周辺の人にも第九を聞いてもらったり、一緒に歌ったりできれば」と話した。

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