練り歩く「混沌の首」のメンバー=11日、若狭町熊川の県道

 福井県若狭町で繰り広げられている熊川宿若狭芸術祭2025(福井新聞社後援)の企画展「『東極』の磁場in WAKASA2025」が10月11日、始まった。11月16日まで、上海や北京在住の現代美術作家ら国内外の10人が、同町の熊川宿若狭美術館と同館近くの田辺邸で造形など計34作品を披露する。初日はアートパフォーマンスグループ「混沌(こんとん)の首」が、同町熊川の県道を練り歩いたり踊ったりして観衆を楽しませた。

 同グループは全国各地在住の現代美術作家やダンサーらが、神社仏閣や美術館、大学でアートなどのさまざまなパフォーマンスを行っている。同企画展に出品したメンバーもいる。

 この日は午前10時過ぎ、黒や赤の衣装を着て若狭町熊川の松木神社を出発。8人で街道を練り歩いた。熊川城跡の登り口前広場など各所で、激しく踊りながら鐘や太鼓を打ち鳴らす独特のパフォーマンスを披露した。写真に残そうとスマートフォンを構える人が多く見られた。

 午後からは立教大名誉教授の千石英世さんによる基調講演「斎藤義重と岡本謙次郎No.2」が熊川宿若狭美術館で行われた。同館館長の長谷光城さんら企画展に出品した現代美術作家が登壇するギャラリー・トークもあった。

 同館などでは、若狭の里山が再生へと向かうことを願って作られたという造形作品、青色や白色の絵の具で塗られたアクリル板に蛍光管を差し込んだ平面作品などが並ぶ。金、土、日、月、祝日は開館している。

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