気比神宮の大鳥居の前で市の学芸員(左)から扁額の説明を受けるゼミ生=6日、敦賀市曙町

 江戸・明治時代の「北前船」寄港地の活性化を目指して、福井県敦賀、新潟市を訪ねるツアーが商品化されることになり、東京の大学生らによるモニターツアーが10月6日、敦賀市内で行われた。学生らは「洲崎の高燈籠(とうろう)」などの文化財を見て回り、市の学芸員から情報を収集。今後、旅行客の参考となるデジタルブックなどを制作する。

 ツアーは、小樽や新潟の観光団体などでつくる「北前船フェリーツアー実行委員会」が、観光庁「地域観光魅力向上事業」の採択を受けて開発する。昨年の「小樽・新潟編」に続く第2弾で、「新潟・敦賀編」として来年2月以降の販売を目指している。

 新潟と敦賀市は、日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」の認定自治体で、地方創生を学ぶ青山学院大の経営学部生など玉木欽也教授のゼミ生4人が4日から2泊3日の日程で両市を訪ねている。

 敦賀市では洲崎の高燈籠のほか、気比神宮の大鳥居の扁額(へんがく)や、みなとつるが山車(やま)会館で敦賀まつりで巡行する山車などを見学した。扁額については学芸員から北前船主の大家七平が寄進したなどと説明を受けた。

 学生らは今後、ガイドツールとしてスマホで解説や写真を見られるデジタルブックのほか、メタバース(仮想空間)を使ったものなどを制作する。大学4年の学生は「山車は華やか。祭りは若い世代も好きな人が多いので、映像を織り交ぜながら、各施設の雰囲気が伝わるものを作りたい」と意気込んだ。

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