敦賀観光の発展を願い、ご神木アートのおはらいをする田村宮司=15日夜、敦賀市の敦賀駅交流施設オルパーク

 市民の投稿動画や写真で観光客に敦賀の魅力を知ってもらう敦賀青年会議所の企画「♯敦賀の木」の一環で、福井県敦賀駅交流施設オルパーク1階ギャラリースペースに9月15日、市内在住の作家らが制作した樹木のオブジェが設置された。倒壊の恐れがあった市内の神社のご神木を活用し、宮司がおはらいをして敦賀観光の発展を祈願した。

 「♯敦賀の木」は、新幹線の開業効果を持続させようと、市民自らが魅力を発信できる取り組みをと企画した。7月15日からインスタグラムへの投稿を呼びかけ、敦賀まつりの山車巡行やカフェで撮影された400点を超える写真や動画が集まった。二次元コードを記した板がつるされ、観光客らがスマホで読み取ると一覧できる。

 オブジェの樹木は、同市栄新町の天満神社境内にあった松の木。マツクイムシの影響で今年4月に慎重に伐採した。同神社では毎年11月に無病息災を祈る伝統行事「せんべい焼き」が行われており、市民になじみのある松の活用を探っていた。

 オブジェは高さ約4メートル。市内の造形作家、松見さんが青年会議所と協働で制作。枝に見立てた幾つもの細い丸太が直径約70センチの太い幹から伸びるように造られている。幹にはうねりのような切り込みを入れ、樹木の生命力を表現。同時に敦賀の発展への思いもこめたという。

 28日まで置かれ、設置初日は松見さんや市内の画家滝田さん、青年会議所のメンバーらが集まって完成式が行われた。金崎宮の宮司が祝詞奏上した。神社世話役は「松の木はこれまで多くの参拝客を見守ってきた。今後も敦賀の発展を見守ってくれる」と話している。

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