
嶺南の食の魅力を発信するプロジェクトを始めた(左から)鳥羽さん、吉岡さん、岡田さん、関水さんの4人=8月28日夜、若狭町世久見の「よしおかや」
若狭のイチジクや梨など嶺南の食材をふんだんに使った岡田さんのパフェ
鳥羽さんの米や敦賀真鯛など嶺南の食材で吉岡さんが作ったコース料理の一品
福井県嶺南在住のシェフ、パティシエ、ソムリエ、生産者の4人がチームを組み、食を通じて地域の魅力を発信する「WAKASA DISHCOVER PROJECT(若狭ディッシュカバープロジェクト)」を始めた。第1弾として9月20日からの3日間、地元産の食材にこだわったディナーイベントを開催。若狭の食の魅力の掘り起こしに意欲を示している。
農業経営の鳥羽さん、パティシエの岡田さん、横浜市出身でソムリエの関水さん、フランス料理のシェフの吉岡さん。
若手料理人が腕前を競うテレビ番組の企画「CHEF-1グランプリ2024」でベスト4入りした吉岡さんが今年1月、東京の有名店を辞めて若狭町に戻ったことを機に、共通の知人だった4人がチームを組んだ。リーダーの鳥羽さんは「県外では福井の食の魅力が伝わっていない。職種の違う4人が一つになれば課題を解決できると思った」と振り返る。
食材は嶺南の生産者らを訪れ、提供を受ける。8月28日に吉岡さんの実家の民宿「よしおかや」(若狭町世久見)で開かれた試食会の調理では、敦賀のブランド魚「敦賀真鯛(まだい)」や若狭湾で捕れたアオリイカ、県特産の福井梅、鳥羽さんが育てた米など40種類以上の食材が用いられた。
吉岡さんはハモと敦賀の昆布でだしを取り、若狭町特産の熊川葛(くず)を溶かして仕上げたフランなど独自の発想で調理。岡田さんは若狭のイチジクをメインに、敦賀の老舗豆腐店「林とうふ」の豆乳や中道源蔵茶舗のほうじ茶などほかの食材も詰め込んだパフェを作った。計7品を提供し、見栄えや味とも満足の出来となった。
20日からのイベントでは、関水さんは食材に合わせて美浜の日本酒「早瀬浦」やワインなどをペアリングする。「よしおかや」が会場で、各日定員12人の予約制。料金は宿泊、朝食込みの1人3万3000円。専用フォームから申し込む。イベント後も季節ごとのフルコースイベントを考えており、鳥羽さんは「まだ見ぬ嶺南の食の魅力を体験できる機会を作っていきたい」と話している。
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