敦賀まつりの山車のミニチュアを制作した坂本さん=敦賀市みなとつるが山車会館

 福井県敦賀市の坂本さんが、敦賀まつりで巡行される山車(やま)のミニチュア模型を制作し、市みなとつるが山車会館に寄託した。武者人形や水引幕、法被姿の引き手などを緻密に再現し、人が近づくと山車が動く仕掛けも施した。同会館で先月29日から展示されており、坂本さんは「敦賀のすばらしい山車を多くの人に知ってもらいたい」と話している。

 坂本さんは2022年4月に鉄道ジオラマがある敦賀赤レンガ倉庫で勤務し始めたのを機に「ジオラマを勉強するため、自分でもミニチュアを作ってみよう」と一念発起。約8カ月間かけて制作した旧敦賀港駅舎のミニチュアは敦賀鉄道資料館で展示されている。

 敦賀を代表する山車のミニチュア制作に着手したのは23年11月ごろ。山車会館と市立博物館が編集した「敦賀の山車総合調査報告書」に掲載されている山車の図面や解体・組み立て時の写真を参考にしたほか、昨年の山車巡行に同行し、間近で写真を撮影し制作イメージを膨らませていった。

 巡行されている6基の山車のうち、舞台座の三層楼閣が特徴の御所辻子(ごしょのずし)山車をモデルに制作した。展示ケースも含めて幅76センチ、奥行き60センチ、高さ78・5センチで、本物の山車の12分の1のスケール。武者人形や見物客は紙粘土、豪華絢爛(けんらん)な着物は和紙、ご神木の松の葉は歯ブラシの毛といったようにさまざまな材料を使って、精巧に作られている。

 土台部分にはセンサーやスピーカーを取り付け、人が近づくと山車が前後に動き、巡行の掛け声が流れる仕組みになっている。

 2年近くかけて完成させた坂本さんは「敦賀まつりは敦賀人にとってなくてはならない存在。ミニチュアを通じてまつりの盛り上げにも一役買えれば」と話した。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)