
何度も布を裂き汚れをはらった「八つ裂行儀」=1日、おおい町名田庄納田終の土御門殿天社宮
茅の輪くぐり厄よけを祈る参列者
何度も布を裂き汚れをはらった「八つ裂行儀」=1日、おおい町名田庄納田終の土御門殿天社宮
陰陽道(おんみょうどう)の伝統行事「名越祓(なごしのはら)い・八朔祈祷祭(はっさくきとうさい)」が8月1日、福井県おおい町名田庄納田終の土御門殿天社宮(つちみかどでんてんしゃぐう)で営まれた。厳かな雰囲気の中、神職が布を手で引き裂いたり、弓の弦を鳴らしたりして疫病退散や五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈った。
1年の折り返しに心身の汚れをはらう神事として、陰陽道を受け継ぐ天社土御門神道本庁が「八朔」を指す毎年8月1日に行っている。実りの秋を迎える前、心身の浄化と豊穣を祈る神事として受け継がれている。
地元住民や関係者ら約70人が参列した。藤田裕司庁長ら神職が、青龍、白虎、朱雀、玄武と書かれた青、白、赤、黒色の鳥居に四方を囲んだ石組みの舞台「天壇」で神事を執り行った。
白、黄色の布の両端を持ち引き裂く「八(や)つ裂行儀(ざきぎょうぎ)」では神職が何度も布を裂いて魔よけを行い、汚れをはらった。「破魔弓(はまゆみ)の鳴弦(めいげん)ノ儀(ぎ)」奉納では、土御門史跡保存会の岩佐さんが「おーっ」と掛け声を上げ、天と地に向かって計12回、弦を引き悪を鎮めた。
参列者は神事を静かに見守り、最後に直径2メートル弱の茅(ち)の輪をくぐり厄よけを祈っていた。
神事後には、参列者があらかじめ名前、数え年を記し、息を吹きかけて体をなでておいた、人の形をした紙を神職が神水で清め、けがれを払った。
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