とば屋酢店が発売した「にごり酢」=7月29日、福井新聞社

 食酢製造・販売のとば屋酢店(福井県小浜市東市場、中野貴之社長)は、無ろ過の純米酢「にごり酢」の販売を始めた。原材料の米や米こうじの成分による乳白色が特徴。健康効果が注目されている酢酸菌がろ過で失われずに含まれているという。

 一般的な酢は、アルコールを酢酸発酵させた後にろ過して製造。同社は、酒に甘酒状の米や米こうじを加えて発酵させてろ過する、江戸期の創業時とほぼ同じ製法を続けている。中野社長は、10年ほど前からにごり酢の商品化を考えており、近年酢酸菌への注目も高まっていることから2年前から開発に着手した。

 にごり酢は、酢酸菌のほか、アミノ酸も多く含んでおり、米の甘みやうま味なども感じることができるという。酢の物やドレッシングなどの調味料として普段の料理で気軽に使うことができ、中野社長は「小鯛のささ漬けやサバずしなど、魚食文化が豊かな小浜で育まれた酢。魚料理にも良く合う」と力を込めた。

 360ミリリットルで1620円。とば屋酢店の本店と直営店、公式オンラインショップで販売している。

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