• 「千夜の軌跡 福珠」を手にする今井悠介さん=高浜町和田
  • 料理マスターズブランドコンテストで認定を受けた「千夜の軌跡 福珠」
「千夜の軌跡 福珠」を手にする今井悠介さん=高浜町和田

 福井県若狭湾で取れたフグの卵巣の酒かす漬けがこのほど、プロの一流料理人「料理マスターズ」が審査するコンテストでブランド認定商品に選ばれた。高浜町和田のフグ料理旅館「五作荘」が未利用資源を用いて作っている料理で、同旅館でしか食べられない一品。同旅館では「受け継いできた伝統の味が認められた」と喜んでいる。

 農林水産省が創設した料理人顕彰制度「料理マスターズ」受賞者と、制度に賛同する民間企業で構成する「料理マスターズ倶楽部」(東京)がコンテストを実施している。料理のおいしさはもちろん独創性や素材の加工により食味が高まっているかなどを「料理マスターズ」が審査する。

 フグの卵巣の酒かす漬けは、五作荘の創業者である今井清隆さんの祖父、故今井五作さんが、へしこの作り方から着想を得てフグの卵巣の無毒化に成功し、商品として開発した。2年間の塩漬け後、酒かすに1年間漬け込み、酒の風味が一粒一粒に詰まった上品な味に仕上げている。

 孫の清隆さんが1980年に創業した五作荘で、ふぐ料理コースの一品として提供している。このほど「千夜の軌跡 福珠(ふくじゅ)」と命名した。2016年からは、加藤吉平商店(鯖江市)の純米大吟醸「梵」の酒かすを使い、味わいに深みが増したという。

 コンテストには清隆さんの長男で同旅館で働く悠介さんが応募した。全国から20件以上の応募があり、最終選考に進んだ8件のうち、5商品がブランド認定された。「福珠」は利用されない資源を活用した独自性や味わいなどが評価された。ブランド認定は今回を含め53品となり、県内商品の認定は初めて。

 悠介さんは「一般的に捨てられていたものから曽祖父が価値を見いだして作った伝統の味。食べに来てもらいたい」と話している。

 問い合わせは五作荘=電話0770(72)0164。

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