葉っぱの上に止まるヒラズゲンセイ。裏には小さいカマキリがいる=3日、小浜市阿納尻(平田さん提供)

 福井県小浜市内の男性が、見た目は赤いクワガタのような昆虫「ヒラズゲンセイ」を市内の山林で発見、撮影した。毒があり、もともと四国地方など日本の南方に生息していたが近年は県内でも確認されている。専門家は「珍しいと思っても触らないで」と注意を呼びかけている。

 福井市自然史博物館の梅村信哉学芸員によると、ヒラズゲンセイは大きさ1・8~3・3㌢ほど。クワガタのように大きなあごがあるが、分類はツチハンミョウ科に属する。脚などから出す体液に毒があり、人の皮膚に付くと水ぶくれのようになる。

 同市の平田さんは、趣味で夏鳥を撮影するため6月27日の午前中、同市阿納尻を訪れた。林道で「小さいけど目立っていた」赤い昆虫1匹をカメラに収めた。数日後も同じ林道で2匹を発見、葉っぱ裏側に止まる小さなカマキリとともにシャッターを切った。

 ヒラズゲンセイは九州や四国などが生息域だったが徐々に北上、2023年にはおおい町内でも確認された。学芸員は「既に嶺南にも分布を広げている可能性がある。少しでも情報をいただけたら」と話した。情報提供は同館=電話0776(35)2844。 

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