現在の指定管理者への委託期限が3月末に迫る道の駅「シーサイド高浜」=高浜町下車持

 指定管理者への運営委託期限が3月末に迫り町直営が検討されている福井県高浜町下車持の道の駅「シーサイド高浜」について、町は現在の指定管理者「中日本エクシス」(名古屋市)への委託を1年間延長する方針を固めたことが3月19日までに分かった。定例町会最終日の21日、公募せずに指定管理者選定を可能にする条例改正案を提出する。可決されれば、温泉施設は営業を継続する。

 道の駅の駐車場、トイレも使用できるが、レストランは既に同社の委託事業者が閉店に向けた準備を進めているため営業継続は困難で、一時閉鎖となる。

 町は施設老朽化に伴う内装の改修設計・施工と、25年4月から5年間の運営を一括して担う指定管理者を昨年10月から公募型プロポーザルで募集。2月の町会臨時会に3社の共同事業体を指定管理者として承認を求める議案を提出したが施工費などについて議員から指摘を受け否決された。

 委託期限が迫る中、後任事業者が決められないため、町は4月から当面の間、町直営で管理し駐車場とトイレのみ使用可能にする方向で調整。3月町会に条例改正案を提出した。

 しかし町内唯一の大型温泉施設「湯っぷる」を一時閉鎖した場合、再開時にメンテナンス費や時間がかかるほか、道の駅は災害時の指定緊急避難場所に指定されているため町は今月上旬、同社へ指定管理の1年延長を提案。同社は14日に指定期間の1年延長を申請した。

 町産業振興課の担当者によると、同社に延長委託した場合、「湯っぷる」とトイレ、駐車場は4月以降も従来通り使用できると説明。レストラン機能の代替として「町内飲食事業者のテナントへの出店やキッチンカーなどを町も連携して呼び込み、飲食需要をカバーしたい」と話した。

 町は新たな指定管理者の選定について、26年度に1年間後ろ倒しし、再度の事業者公募に向け調整している。

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