金沢―福井間を1年間で816万1千人が利用した北陸新幹線=15日、福井市下莇生田町から小型無人機ドローンで杉本哲大撮影

 JR西日本は3月17日、北陸新幹線金沢―敦賀間が開業した昨年3月16日から今年3月15日までの1年間の利用実績を発表した。金沢-福井間の利用者数は816万1千人で、前年同期の在来線特急に比べ25%増となった。1日当たり平均2万2千人が利用した形で、JR西日本金沢支社の担当者は「全国的に北陸が注目を集め、年間を通じて観光客らが多く利用した結果」としている。

 JR西は昨年3月に県内開業直後(3月16、17日)の2日間の利用実績を公表しており、福井-金沢間の利用者は計6万人で前年同期比20%増だった。開業直後の増加率を年間で上回ったことについて、担当者は「10~12月に大型観光企画『北陸デスティネーションキャンペーン(DC)』を行うなど、沿線自治体と連携した切れ目ないPRの効果もあったのでは」との見方を示した。

 県内4駅の1日平均利用者数は、敦賀駅がJR特急との乗り換えなどで最多の7700人。次いで福井駅3600人。芦原温泉駅と越前たけふ駅は各500人だった。

 開業10年を迎えた長野-金沢間のうち上越妙高-糸魚川間(新潟県)の敦賀延伸後の利用者数は、前年同期比24%増の990万1千人となり、10年間で最多だった。担当者は「関東方面から金沢以西に向かう利用者が増えたことを示している」とした。同区間の10年間の累計利用者は計7367万4千人。

 福井県が携帯電話の位置情報データを基に調べた推計値では、県内開業から今年2月中旬までの新幹線各駅周辺の県外客の来訪者数は前年同期比19%増となり、特に沿線の関東や信越からの来県者が増加した。県新幹線政策連携室の前田浩伸室長は「新幹線開業による交流人口の増加が改めて裏付けられた。県内全域への開業効果拡大につなげたい」と話している。

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