11月にイノシシのわな猟、銃猟が解禁され、福井県おおい町名田庄地区の料理旅館、料亭などで冬の風物詩「ぼたん鍋」に使われるイノシシの入荷が始まっている。脂の乗ったイノシシ肉が大皿に花のように盛り付けられ、提供する旅館では「イノシシ肉を鍋で味わい温まってほしい」とアピールしている。
ぼたん鍋はイノシシ肉を野菜やキノコと、みそで一緒に煮込んだ鍋料理。薄切りにした肉をボタンの花のように盛り付けることが名の由来とされる。
同町名田庄久坂の料理旅館「新佐」では、28日までに地元猟師が捕獲したイノシシ10頭を入荷した。冬を乗り切るために脂を蓄えるこの時期が旬。体長は1・2メートル前後、体重60~70キロほどが多いといい、同旅館の栗原正夫さん(76)は「ほどよい大きさの個体で、肉が柔らかい」と太鼓判を押す。
あっさりとしながらも甘みのある味わいが特徴。数ミリほどに薄く切った肉を大皿に並べ、野菜や自家製みそと一緒に提供している。今年は気温の高い日が続いたためイノシシの肉質が心配されたものの、「ようやく寒くなってきて、脂の乗りはここからさらによくなりそう」と期待を寄せる。同旅館では4月中旬ごろまで提供する。
同地区では新佐のほか、料亭やホテルなど3カ所でもぼたん鍋を提供している。問い合わせは若狭おおい観光案内所=電話0770(77)0025。
県内のイノシシ猟は、銃猟が来年2月15日、わな猟は3月末まで。
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