陽光の下で天日干しされる若狭かれい=14日、小浜市川崎2丁目の魚安商店

 福井県若狭地方の冬の味覚「若狭かれい」の出荷が始まっている。小浜市内の鮮魚店では天日干し中のカレイがずらり。暖かな陽光を浴びながら、海風に揺れている。

 若狭かれいは若狭湾や日本海で水揚げされたヤナギムシカレイで、甘みが強く上品な味わいが特長。身は白く透明感があり、特に卵を抱えた雌は赤っぽい卵巣が透けて見栄えもよく、卵の味わいも濃厚という。毎冬、厳選された若狭かれいが皇室に献上される。

 同市川崎2丁目の若狭小浜お魚センター内にある魚安商店では今月初旬から天日干しをスタート。体長20~25センチほどのカレイのうろこや内臓を取って塩を振り、翌朝に天日干しする。4代目の毛利さんは「日に当てることで甘みが強くなり、寒風にさらすことでうまみも凝縮される」と話す。

 漁期は毎年、10月~翌3月で、12月ごろが出荷のピークという。今年は10月の水揚げが少なく、天日干しのスタートが1カ月ほど遅くなったが、カレイは肥えていて肉厚という。毛利さんは「天日干しにこだわり、丁寧に下処理するなど手間をかけているので、ぜひ味わってほしい」と話した。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)