福井県小浜市の県立大海洋生物資源学部の学生が国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に指定されている同市の「小浜西組」の空き家に水族館を開設しようと準備を進めている。小浜湾や地元河川の魚、大学で養殖している魚を展示。魚の生態など学生が解説するなど地域とつながる拠点を目指す。来秋オープンの予定。
計画しているのは先端増養殖科学科2年の眞壁さん。小学2年で参加した敦賀の野外キャンプで、海で初めて見たカサゴに感動し、魚好きに。専門的に学ぼうと同学科に進学した。
大学進学後に訪れた空き家活用の若者向けシェアハウス(坂井市)で、入居者が地域の人と交流する姿を見て学生が地域に関わっていく価値を知ったという。「養殖を学び魚の育て方や捕獲方法なども分かるメリットを生かしたい」(眞壁さん)と水族館に着目した。
今年3月から物件探しなど準備を進め香取区にある木造2階建ての物件を借り上げた。建物内には大小約30個の水槽を置き、オイカワやアユ、イシダイなど小浜の海や川で捕獲した魚やアラレガコ、マハタ、トラフグなど県立大で養殖している魚などを展示する予定。飲食スペースやオリジナルグッズの販売スペースなども設ける。
運営スタッフは学生を募る一方、地域の人にも手伝ってもらうことで、交流の場となることも期待する。また市内事業者が菓子などを販売する機会も設けたいとしている。
9月から約2カ月間のクラウドファンディングで、目標額100万円を大きく越える254万円を集めた。眞壁さんは「1人の学生の試みに多くの人が協力し、取り組む価値があると実感した」と話している。
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