江戸時代から明治時代にかけて北前船交易の拠点として繁栄した福井県美浜町早瀬の魅力を発信しようと、地元の男性が知人の映像作家とともにPR動画を作った。ミュージックビデオ(MV)風に町並みや景色を伝えている。
早瀬は荷物を運びやすくするために海に向かって真っすぐ道が延びる港町の区割りが今も残るほか、町指定無形民俗文化財「子供歌舞伎」で使われる曳山や伝統行事「水(み)無(な)月(づき)祭礼」のみこしは建造時の記録などから北前船主らの寄進で造られたと分かる。美浜町は6月、日本遺産「北前船寄港地・船主集落」の認定自治体に追加された。
男性は大谷造船工業(早瀬)の専務、大谷さんで、住民有志でつくる「早瀬伝統街並み保存会」にも所属している。過疎化が進み空き家も増える中、「まずは多くの人に早瀬を知ってもらい、地元を盛り上げたい」と、映像作家の小川さんの協力を得て動画を作ることとなった。
7月下旬に区内で撮影が行われ、小川さんとつながりがあり、歌手活動に取り組む水野さん(福井工大福井高1年)と、俳優・モデルの成瀬さんが出演。完成した動画は約3分半で、水野さんの歌とともに2人が区内を歩いて巡ったり、砂浜で遊んだりしている。
動画は9月23日に早瀬伝統街並み保存会のユーチューブチャンネルで公開した。大谷さんは「動画を見た後に実際に早瀬に足を運んでほしい」と期待している。
(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)