国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に指定されている福井県小浜市の「小浜西組」で7日、空き家を活用したコワーキングスペース「三丁町コモンズ」がオープンする。古民家の魅力を生かした落ち着いた空間となっており、企画した同市出身の建築家は新たな交流の場の創出を目指している。
コワーキングスペースは、小浜と神戸市で活動する1級建築士田中さんが、県内外のデザイナーや企業人など多様な人が集まれる場をつくろうと企画。都市計画デザインなどを手がける合同会社アンドプレイス(小浜市)の高野さんと、県SDGsコーディネーターの徳川さんに声をかけ、昨秋から準備を進めてきた。
飛鳥区にある築100年以上の木造平屋建てを改修した。土壁や梁(はり)などを残し、仕事などができるスペースは床や壁、本棚などを木質系の材料で作るなど、古風さと新しさが調和した内装にした。入り口の床には越前瓦のタイルも使っている。
田中さんの建築設計事務所でもあるため、利用者と同じ場所で作業することもあるという。「自分たちも含めて、交流が生まれて新しいプロジェクトが生まれるきっかけになれば」と期待する。
また高野さんと徳川さんが、人を呼び込むためのイベントを企画するという。田中さんは「まちに残る文化的な資本をただ保存するのではなく、人が集まる場所として活用していくきっかけになれば」と話している。
利用時間は平日午前9時~午後5時で1日千円。予約不要。問い合わせは田中さんのメール(hiroyukitanaka@nuca-archi.com)まで。
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