10月1日にスタートする大型観光企画「北陸デスティネーションキャンペーン」に合わせ、同5日から敦賀―城崎温泉(兵庫県豊岡市)間で運行されるJR西日本の観光列車「はなあかり」の報道機関向け試乗会が9月28日、敦賀―東舞鶴(京都府舞鶴市)間で行われた。越前和紙など沿線各地の工芸品が各所に飾られた豪華な内装、車窓からの日本海の雄大な眺めなど、優雅な鉄路の旅が楽しめる。
敦賀駅の小浜線ホームに3両編成の「はなあかり」が入ってきた。黒褐色の車体に金色で草花文様が描かれた新列車は鉄道ファンの注目の的に。母親と訪れた福井市松本小1年の児童は「車体の色がかっこいい。乗ってみたい」と目を輝かせた。
最上級グレードの車両「スーペリアグリーン車」に乗り込み、草花がデザインされたじゅうたんを歩き、個室風に仕切られた2人用の座席へ。桜や水仙をかたどった越前和紙のフラワーアートなどが華やかな気分を演出する。ゆったりとした革張りのシートは足を伸ばしてくつろげる。他の2両のグリーン車も十分な広さだった。
小浜駅を過ぎると「小浜湾です」と車内アナウンス。車窓に目をやると、深い青の日本海が目に飛び込んできた。予約販売の特製弁当も提供され、若狭かれいの唐揚げに若狭牛のたたき、へしこをのせた山菜ご飯と福井の味に舌鼓を打ちながら、景色を楽しんだ。
駅の停車前には、周辺の見どころや食の魅力を車内アナウンスで紹介。JR西の担当者は「絶景を楽しめ、伝統工芸品でその土地の歴史や文化などに触れることもできる」と強調。「はなあかりをきっかけに、その後も再び北陸などに足を運んでもらえるよう地域の魅力発信に貢献していきたい」と話した。
はなあかりは12月22日までの土日に運行する。その後はJR西管内の他区間を走る。敦賀―城崎温泉間の片道の運賃・料金は、通常期でスーペリアグリーン車は2人利用の場合1人当たり1万2840円、1人利用は1万7840円。グリーン車は1人当たり1万640円。
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