子孫繁栄や五穀豊穣(ほうじょう)を願う福井県美浜町新庄の奇祭「八朔(はっさく)祭」が9月1日、区内で行われた。男性のシンボルを模した神棒を持った天狗(てんぐ)が5年ぶりに登場し、見物客の女性をつついて回った。
数百年前から伝わる伝統行事で、つつかれた女性は子宝に恵まれるとされる。新型コロナウイルス感染拡大や人口減少、高齢化に伴い、2020~23年は神事のみに。今年は樽神輿(たるみこし)を担ぐ住民の制限をなくすなどし、通常開催にこぎつけた。
区内で東西に分かれ、東字は午前10時半ごろに行列が田代公会堂を出発。笛と太鼓ではやしを奏でながら日吉神社へ向かって歩き、樽を奉納した。露払い役の天狗は長さ約50センチの神棒を袖に隠し持ち、女性を見つけると全速力で追いかけ、つついた。
西字は午後に八朔音頭を歌いながら樽神輿をかついで練り歩き、天狗も登場。日吉神社で樽を奉納した。区長は「祭りはやっぱりいいもの。集落が盛り上がり、にぎわいにつながった」と笑顔だった。
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