「北陸デスティネーションキャンペーン」の成功に意欲を見せる北陸3県の関係者=22日、金沢市のホテル金沢

 福井、石川、富山の北陸3県とJR西日本金沢支社などが8月22日、10~12月に展開する大型観光企画「北陸デスティネーションキャンペーン(DC)」の概要を発表した。国の名勝「蘇洞門(そとも)」(福井県小浜市)など3県イチ押しの観光素材を使ったツアーやイベントを通じ、自然、食、温泉など魅力的な北陸の「美」を発信する。3県の名所や名物をデザインしたラッピング北陸新幹線も運行し、金沢―敦賀間の開業効果の最大化につなげる。

 北陸での開催は、2015年の北陸新幹線金沢開業以来9年ぶり。「ジャパニーズ・ビューティー・ホクリク~日本の美は、北陸にあり。~」をキャッチフレーズに掲げ、景観や食、伝統工芸などを「美観」「美食」「美技」「美湯」「美心」の五つの美として打ち出す。JR西日本金沢支社、北陸経済連合会、各県の観光連盟でつくる実行委員会が実施する。

 特別鑑賞ツアー「蘇洞門めぐり」は、「大門・小門」と呼ばれる洞門や奇岩、洞窟を遊覧船で巡る。美しい景観をゆっくりと楽しんでもらおうと、通常のツアーより上陸時間を長くする。南越前町の国重要文化財「中村家住宅」の特別公開では、普段見られない3階の望楼座敷が見学できる。

 10月5、6日に石川県加賀市の加賀温泉駅前広場でオープニングイベントを開くほか、11月3、4日には富山県の氷見市芸術文化館で3県の食を楽しめる催しがある。福井県内でもイベントを予定、詳細は今後発表する。

 恐竜や東尋坊、カニなどをデザインしたラッピング新幹線は、敦賀―東京間で9月28日から来年6月中旬ごろまで運行する。運行初日は敦賀駅で出発セレモニーを開く。観光列車は、あいの風とやま鉄道の「一万三千尺物語」を3県で特別運行するほか、敦賀から城崎温泉(兵庫県)を結ぶ「はなあかり」が10月5日にデビューする。

 金沢市内で開いた会見では、3県を代表して石川県の馳浩知事が「北陸新幹線の敦賀延伸によって、3県が1時間圏内でつながった。これまで以上に連携し、多くの人に北陸ファンとなってもらえるよう心を込めて迎えたい」とあいさつ。3県が一丸となって誘客に取り組む姿勢を強調した。

 JR西は期間中、21日前までの予約で通常よりも割安な「かがやき」「はくたか」の切符を販売するなど3県周遊を促す企画を展開する。全国のJR主要駅に9月上旬からDCのガイドブックを配置する。

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